ハードルが高い ページ37
「もう、仕方ないなぁ。これがラストだからね！」
呆れたように私は言うけど、本心ではいつ感謝を伝えるか
タイミングを見計らっていた
「ありがとう」ってたった一言。
言う機会は、何度もあったはずなのに、今になるとなかなかチャンスが訪れない
いきなり「ありがとう」って言っても不自然だしなぁ...
ぼーっと、考えながらゲームをやってたらまたキヨに勝ってしまった。
ゲーム画面に「WIN」という字がでっかく浮き出てくる
「クソッ...また負けたぁ...」
「約束通り、もうおしまいね。違うゲームやろ？」
「あぁ？約束なんてしてねぇし！」
「でも、何も反論しなかったじゃない。」
私がそういうと、キヨは諦めたのか立ち上がった
「のど乾いた。水持ってくる」
「あ、私の分もお願い」
...って、まただ。
また忘れてる
今なら「私が持ってくるよ」とか言えたのに...
でも、これはチャンスかもしれない
これをうまく利用して感謝を伝えられれば...
「ん、これ。Aの分」
キヨが2つのコップのうち1つを、私に差し出してきた
今だ！作戦実行！
「そ、その...キヨ？」
「？」
キヨが不思議そうに私を見つめる
いざとなると恥ずかしいな...
「キヨ、いつも、ありがとう...」
「どうしたんだよ急に」
苦笑いをしてキヨが訪ねる
普段私がこんなに素直になるなんて、珍しいしね
「だって、病気の時だって、ショッピングモールの時だって、
キヨが居なかったらどうなってたかわかんないもん。
それにキヨといると...楽しいし...」
キヨが今、どんな顔してるかわからない。
もしかしたら、すんごいにやけてるかもしれないし、
ありえないけど、照れて真っ赤になっているかもしれない。
とにかく私は、恥ずかしくてキヨの顔を見ることができなかった。
「俺...」
キヨがゆっくりと口を開いた
「俺も、Aといるとすんげぇ楽しい！」
ちらっとキヨを見てみると、ものすごく嬉しそうな、
キラキラした笑顔で、こっちまで笑顔になってきた
ふぅ...これでやっと作戦第一号の任務が完了したのか...
私にとって、心のこもった「ありがとう」の一言は、
ハードルがちょっとばかし高いかもしれない
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みな(プロフ) - りえりえ！さん» ありがとうございます！これからも気まぐれに更新していく予定なので、見てくださると嬉しいです！ (2018年7月11日 19時) (
レス) id: 6351a6398d (このIDを非表示/違反報告)
りえりえ！ - めっちゃ面白い！更新頑張って！！！このお話めっちゃ好きです！ (2018年7月10日 17時) (レス) id: 1e866a21ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みな | 作成日時：2018年6月10日 11時
