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「おー、良かったやんか」
さもなんでもないように振る舞うと、Aは突然手を握ってきた。
相変わらずの手の小ささか、それとも見たこと無い程の真剣な表情のせいか──────驚く俺をじっと見つめてAは口を開いた。
「たいしろー、私を攫って」
まだ大人になりきれていないAの口から普通出ては行けない台詞。
「な、ちょ、どしたねん」
慌ててしゃがんで視線を合わせた途端、Aは水色の瞳からポロポロと涙を零し始めた。
「やだ、たいしろー以外の人なんてやだよ」
そんなしゃくりあげた言葉にギクリとする。胸が一気にきゅっと詰まって──────でも、愛おしくて笑みが零れる。
「なんで私のこと貰ってくれなかったの？私のこと本当は嫌いなの？」
「そうなんでしょ！」なんてヤケになって叫ぶAの頬を両手で包み込んだ。
「A」
「たいしろーの馬鹿！嫌い！」
「ちゃんと俺の話きき」
少し声音を低くして涙を拭うとやっとAは此方を見つめた。
…そんな顔させたかった訳やなくて、驚かせたかっただけなんやけどな。
「その袋ん中の、赤い箱出してみ？」
まだ握り締めていた袋を指さすとAはむくれながら袋の中をゴソゴソと漁る。
赤い箱を取り出したAに「中気にならん？」と促すとAは無言でリボンを解いて箱を開けた。
「え…」
涙に濡れたAの瞳が見開かれて宝石の様に輝く。
箱の中に入っていたのは、宝石やビーズが散りばめられたミニティアラだった。
ひょいとそれを手にしてAの頭に乗せてみる。ほんの少し茶色がかった長い髪に予想通りよく映える。
「…雰囲気もないし、王子様もおらへんけど。
俺がおる。俺がAの王子様になったるから、俺にAの人生任せてくれん？」
昔あげたメルヘンチックな絵本の中に出てくる王子様の様に、膝をついて手を差し出して。
するとティアラを付けたお姫様は「…っ！」と息を飲んでから勢いよく俺に抱き着いてきた。
「わっ！とっと…！そこは手をとるとこやろ！」
「ぅ、たいしろだって、そこは指輪だよ…！」
大粒の涙を零しながら俺の身体にしがみつくAの頭を撫でて「Aお姫様憧れとるから…」と言うと、Aは嬉しそうに顔を上げた。
「これからは、俺が傍で守ったるから」
そう言ってAの唇にそっとキスを落とした──────。
カランコエ：幸福を告げる、貴女を守る
ヒヤシンス：ホークス→←カランコエ：豊満太志朗【追記しました！】
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あろま(プロフ) - オーバーさん» こちらこそリクエストありがとうございました！お気に召して頂けて光栄です！期待させてしまってすみませんでした…。楽しみにしてらっしゃいましたよね…。なんて優しいんですか…！感謝感激です！頑張ります！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - リクありがとうございます！とても良かったです(´ω`*) ホークスの新作の件は残念でしたが、あろまさんの書く小説が大好きなので、大丈夫です(`ω´)b 執筆お疲れ様でした！！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» お久しぶりです、オーバーさん！弔くんのお話好きですか…！？嬉しい限りです！鬼滅の方も読んでくださって感激です…！これからも頑張ります！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - お久しぶりです、あろまさん！ 死柄木くんのお話好きです(´艸`) 鬼滅も楽しく読んでます(´ω`*) 更新ファイトです！！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» リクエストありがとうございます！そうなんです！ついにホークスの新作を書きます！ずっと書きたかったお話なので自分でも楽しみです(笑)アネモネいつか書こうと思っていたので嬉しいです！了解です、荼毘ですね！いつもコメント感謝です！全力で書きます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年7月1日 22時
