カランコエ：豊満太志朗【追記しました！】 ページ24
「元気しとったかA！」
ひょい、と部屋を覗くとAはぎくりと此方を向いた。
カサ、と隠した手には何処からか"拝借"してきたのだろう、スナック菓子の袋があった。
「あっ、またやったな！」
俺に捕まってもまだ懲りんかったか！と声を上げるとAはぴょんぴょん跳ねてきた
「静かにして！バレちゃう…！」
「静かにして欲しかったら辞め」
困った奴やなぁ、とため息を着くと、食べくずを付けた口をニッと上げて嬉しそうに笑う。
──────こんな少女が敵だなんて、誰が思うであろうか。
Aは以前大阪で何度も盗みを行っていたグループの下っ端で、人を傷つけることはしなかったが持ち前の個性で人を阻み、翻弄させ、グループを支えていた。
しかし、俺や近所ヒーローの活躍によってグループは確保。
罪の軽く、また少女だったAはこの"敵更生施設"へと送られ、現在もここで生活しているという訳だ。
あまりにもAが様々な面で例外だったため、捕まえた後もAのことが頭から離れず、俺はこうしてひと月に2回は顔を見せている。
その度にAは厨房からお菓子やらなんやらを"勝手に"もらったりしているが、今日もまた今日とてそうらしい。
「勝手に人のもん取らんて。これがあるから」
これなら大丈夫やろ？とこれでもかと買い占めたお菓子の袋とメルヘンチックな絵本から小説まで様々なものを詰め込んだ袋を差し出した。
勿論、全部施設側に申請したものであるからなんらそこの心配はない。
するとAは毎度の事ながら両手に持っていたスナックの袋をパッと手放してててて、と裸足でやってきた。
──────そんなことも、今となっては思い出話。
「たいしろ、いらっしゃい」
うふふ、と笑う彼女はもう20歳になった。俺は俺でもう29際になろうとしている。
「太志朗さん、やろ」
ぺい、とおでこに軽い手刀を食らわすとAはむぅ、と頬を膨らませる。
「たいしろーはたいしろーだもん」
「もう子供やないんやから、そないな顔しても可愛くありまへん」
なんて意地悪を言いながら今日とて持ってきたお菓子の袋を差し出すと、Aは一気に黙り込んで俯いた。
「たいしろー。あのね、私貰い手が決まったの」
貰い手。この敵更生施設は基本的に身寄りのない若い子供達が集まる場所だ。
更生した子供は貰い手──────つまり里親が決まれば施設を出る訳である。
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あろま(プロフ) - オーバーさん» こちらこそリクエストありがとうございました！お気に召して頂けて光栄です！期待させてしまってすみませんでした…。楽しみにしてらっしゃいましたよね…。なんて優しいんですか…！感謝感激です！頑張ります！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - リクありがとうございます！とても良かったです(´ω`*) ホークスの新作の件は残念でしたが、あろまさんの書く小説が大好きなので、大丈夫です(`ω´)b 執筆お疲れ様でした！！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» お久しぶりです、オーバーさん！弔くんのお話好きですか…！？嬉しい限りです！鬼滅の方も読んでくださって感激です…！これからも頑張ります！ (2019年9月21日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
オーバー - お久しぶりです、あろまさん！ 死柄木くんのお話好きです(´艸`) 鬼滅も楽しく読んでます(´ω`*) 更新ファイトです！！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 50e4bb27d4 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - オーバーさん» リクエストありがとうございます！そうなんです！ついにホークスの新作を書きます！ずっと書きたかったお話なので自分でも楽しみです(笑)アネモネいつか書こうと思っていたので嬉しいです！了解です、荼毘ですね！いつもコメント感謝です！全力で書きます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年7月1日 22時
