2話 ページ4
「で?寝れなかった理由は何だよ?」
「……」
夜になり、皆が寝静まった頃を見計らって龍暉が話しかけてきた。
見た事、聞いた事、話さなきゃ…。
そう思うのに、口を動かせない。考える事を放棄しているような。
「…ぇ…と…」
「無理に話さなくてもいいけど…そんなにヤバい内容か?」
話さなくていいと言ってくれているが、これは話さなきゃ本当にヤバい。
内容が内容なので、龍暉の問いかけには一応頷く。
「…そんなにヤバいなら、尚更話さなきゃダメだろ…」
少し呆れた声で言われた。
「…話さなきゃって、思っても、口がうまく動かせない…」
「じゃあ、少しずつ聞いていくぞ。……夜中、何してたんだよ?」
俺が抜け出したのには気付いていたらしく、夜中に何していたのか疑問だったらしい。
「…胸騒ぎがして、寝れなかったから、施設の中を歩いてた」
少しずつ落ち着きを取り戻して、昨日の事を慎重に話していく。
「歩いてたら?」
「…夜にはついてない筈の部屋の、電気がついてたから、好奇心と胸騒ぎの原因が分かるかもっていう直感とで、ドアの隙間から覗いたんだ…」
「……。それで?」
「…人身売買の、話だった……」
思い出しただけでも、体の震えが止まらない。
「!?……かなりマズい話だな…。話してくれてサンキューな」
「…おう…」
少し緊張が解けた。寝ていないのも重なり、フラついてしまった。
「…大変だったろ。今日はもう寝るぞ」
「……」
意識が朦朧として、頷くだけで精一杯だった。
今は、龍暉にだけでも話せて良かった…
これからどうしよう――――…
色々な考えが俺の頭を埋めたが、睡魔には勝てずにその日は眠った。
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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます!少しずつにはなりますが頑張ります! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります!更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スレイル | 作者ホームページ:
作成日時:2017年7月7日 15時