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14話 ページ16

どれだけ走ったか分からない。ただ、少し開けた広い場所に出た。


「っ!! ゴホッ」


喉から何かが競り上がってくるのを感じた朔夜は、咄嗟に咳き込んだ。すると、


「吐血……!?」

「だ、大丈夫!?」


吐血した上に、力が抜けたのか膝から崩れ落ちた。

何が起こっているのか分からなかった龍暉以外のメンバーは、ただ呆然と立ち尽くすだけ。

龍暉自身も心配はしているが、どうすればいいか分かっていないようだった。


「ったく……いきなり無茶するからそうなるんだぞ」

「……悪い……」


立ち上がるが、足取りはフラフラと覚束無い。

朔夜自身も意識が朦朧としており、息が出来ない苦しさにまた倒れそうだ。


「何で、芹澤を吹っ飛ばしたりなんか……?」


雄太が、一番の疑問を問いかけた。

ただただ、朔夜に対する言い知れぬ恐怖心をどうにかしたかったから。


「……まあ、俺も朔夜自身も分からないんだが……」


まだ荒んでいた頃に、よく喧嘩をして帰ってきては怒られていた。これはよく見ていたので全員知っている。

だが、相手が亜理彩の名前を出した瞬間に、先程の芹澤と同じように相手を吹っ飛ばしたのだ。


そして帰って来ると、朔夜は突然倒れた。

龍暉は、この時の朔夜の凄く苦しそうな顔を未だに忘れられないでいる。


「……こっからは俺の推測でしか無いが……多分、俺達全員、そういう“人間とは思えない部分”があるんだと思う」


龍暉の話に、何も喋らずただ耳を傾けていた。

そんな中、侑璃がおもむろに朔夜に近付いた。


(それが本当なら、多分――)


「! ……ちょっと、楽になった……?」


息が荒いのは変わらないが、当人は驚いている。

侑璃は溜め息を吐いて龍暉に向き直り、


「私は、少しだけど怪我の負担を減らせる。詳しい事なんて分からないけど、そうなんだと思ってる」


自分の考えを伝えた。


ただ黙って聞いていた朔夜は、ふと思い出した。



侑璃がそばに居た時、いつも体が軽くなった気がする。



ふと、負担が軽くなった感覚――――

なんか、暖かくて――――。



そのまま目を閉じ、意識は闇の中へ消えた。

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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます!少しずつにはなりますが頑張ります! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります!更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スレイル | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年7月7日 15時

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