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12話 ページ14

「……」


重いまぶたを開き、洞穴の外を見渡してみる。

まだ薄暗く、夜が明けたばかりだろうか。


「……寝てないだろ」


太陽とか眩しいだろうな、なんてボーッと考えていた朔夜の後ろから、龍暉が声をかけた。


「どうしても考えるんだよ……俺らが信じてた物ってなんなんだろうな、って」

「……。大人なんてそんなもんだろ。信じたら裏切られる、それだけ。」

「ぇ、?」


俯いてしまう朔夜を横目に、龍暉は淡々と言葉を発した。

それはどこか哀しみを帯びていて、朔夜は一瞬戸惑った。


コイツは、何を抱えて――


「朔夜〜? ボーッとしてばっかじゃん、大丈夫?」

「……あ、おう。大丈夫だ」


雄太が背中を叩き、朔夜の顔を覗く。

流石に年下に心配はかけたくなくて、ぎこちない笑顔で大丈夫とだけ言った。


徐々に太陽が上がって、他のメンバーも起きてきた。


「……じゃあ、寝起きのとこ悪いけど、もう動くぞ」


地図を見て、洞穴から出る。

荷物は龍暉と雄太と朔夜で大方背負い、歩き始めた。






「……そう遠くには行ってないと思ったんだが……」


まさか洞穴を見つけていたのか。


まだ暖かみが残っており、ここを出てからそんなに経っていないと推測する。

だが、ハッキリ言って“あのグループ”は色々と謎が多い。

油断は出来ないな。


寝る間も惜しんで捜し続ける男――――芹澤は、ニヤリと歪に笑う。




「そう簡単には逃がさねえぞ……“貴重な実験台”なんだからな」



.

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スレイル(プロフ) - 愛花さん» コメントありがとうございます! 頑張ります! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
愛花 - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年3月20日 4時) (レス) id: 290386675f (このIDを非表示/違反報告)
スレイル(プロフ) - 白ふくろうさん» コメントありがとうございます!少しずつにはなりますが頑張ります! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 6a6729e69a (このIDを非表示/違反報告)
白ふくろう - 続きが気になります!更新、頑張ってください (2017年7月29日 13時) (レス) id: 3b64ecbc9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スレイル | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年7月7日 15時

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