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黄side
頂いた新曲はエグい振りのもので、過去最高に苦戦した。
特に練習にほぼフルで参加できる俺らと違って、
舞台の稽古と同時進行になる康二は、やっぱり時間が足りなかった。
特に移動は、皆で合わせないといけないから、全員で集まれないのは痛い。
やるからには、完璧なものを見せたい。
いや、見せなければいけない。
そんなプライドもあって、できそうなことを康二に助言のつもりで伝えてきた。
でもそれは……間違っていたんだ。
通しの練習に入って、これまたハードすぎる内容に、皆何とか踏ん張っている状況。
今日は、俺たちメンバーだけでの練習。
何とか完成形が見えてきたけど、やっぱり康二は遅れていて。
休憩時間を削って、動きを確認をしている。
何度目の休憩の後だっただろうか。
体力も限界に近づいてきて、ラストスパートをかけようとした時だった。
ガタンッ
音がしたほうを振り向いてみると、
「!?…康二っ!」
康二の体が崩れ落ちていた。
橙「っ…んっ…」
急いで皆で駆け寄ると、
康二の顔色は最悪で。
息も浅くて荒いし、目は虚ろで、床についている手も、震えている。
テーブルを支えにして何とか起こしている体は、今にも床に叩きつけられてしまいそうなほど、フラフラしている。
突然のことに、俺らもどうしたらいいかわからなくて、怖くなった。
白「1回ソファにっ…」
緑「ベッドの方が良くないっ?」
黒「すぐ準備してきますっ!」
赤「水、飲めるかな…。」
桃「車、出してもらうように頼んでくる!」
青「これ下手に動かして大丈夫か?」
紫「わかんねぇ…
でもこのままの方がまずいだろっ…」
そんなことを話してると、
橙「だっ…、大丈、夫…。…大、丈夫や、から…。」
「大丈夫なわけないだろっ!!」
途切れ途切れに紡がれる言葉。
何言ってるんだ、こいつは。
紫「とりあえず、横にならせよ。」
体の負担を少しでも減らすために、ベッドがある部屋へ移動する。
康二を抱えて、わかった。
軽すぎる
華奢だけど、ちゃんと筋肉はついていて、それなりの重さはあったはずだ。
なのに、何でこんなに、軽いんだ。
いや、何で俺たちは、こんなにも大きな変化に気づかなかったんだ。
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はるか - めちゃくちゃ好きです!! (2022年6月6日 23時) (レス) @page29 id: 7bffaaaa80 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃん(プロフ) - すっごく面白かったです!なべこじのあなたには、ガチ泣きしました…!他の話でも涙が…!ちゃいさんの表現の仕方が大好きです。最後の辺りの文章も毎回大好きです。シリーズ読みまくります! (2020年5月30日 6時) (レス) id: 2e7657af2c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい(プロフ) - Amiさん» リクエストありがとうございます。ただいま、溜まっているリクエストを順にあげています。お待たせしてしまうと思いますが、お待ちいただけると幸いです。どうぞよろしくお願い致します。 (2019年10月26日 18時) (レス) id: 3fb2dd4ba2 (このIDを非表示/違反報告)
Ami - 嫌われてるんじゃないかと思い泣き崩れてしまいます。それから素っ気なくなってしまった康二くんが目黒君は心配になり真相を確かめます。そして真相を知った目黒君はその康二くんの寂しさを埋めるように愛していくようなストーリーを見たいです!よろしくお願いします (2019年10月25日 20時) (レス) id: dafa21f976 (このIDを非表示/違反報告)
Ami - 急にすみません!めめこじのピンク見てみたいです!良かったらよろしくお願いします。設定としてはこの頃そっけない・愛されてはいないのではないか?と心配する康二くんそんな事を知らない目黒君は他のメンバーと絡みまくります。それを見た康二くんは嫉妬して自分は (2019年10月25日 20時) (レス) id: dafa21f976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃい | 作成日時:2019年9月23日 1時