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振り払えば良かった ページ8

. tadayoshi









「ご飯までご馳走してもろてごめんなぁ。」





店を出るとヤスが俺の方を見て両手を合わせてお辞儀してきた。





6時ぴったりに仕事が終わった後、

ヤスとテレビ局の近くの居酒屋に入って2時間。




最近はお互い忙しくてヤスとサシ飲みもしばらくやったし、

ゆっくり話したんは久しぶりで。







「なんもしてへんよ。」




「メシ行こって言ってくれただけで俺はもう充分嬉しかったわぁ。

それにこういう話相談できる人あんまおらんから
話せただけで自分の中でも整理できた気がする。



ありがとな、大倉。」






ヤスの表情は朝見た時より柔らかくなった気がして、


少しでも力になれてたらええなって思う。








「俺ここからやったら歩きで帰るけど大倉は?」




「俺はAになんか買うてからタクるわ。」




「そっか!ほな気いつけてな〜。

Aちゃんにくれぐれもよろしく伝えといて!」






にっと笑ってまるで彼女に振るみたいにブンブン手を振るヤスに笑いながら手をあげる。







いくら理由があったからとはいえ、


ドタキャンはドタキャンやしお詫びになんか甘いものでも買うてこうかな、とまだ明るい街の方へ歩いた。







バレて騒ぎにでもなったらそれこそ帰るの遅くなってまうし、


パッと買ってパッと帰らな。






ちょうど人通りの多い横断歩道の先に、

前貰い物で持って帰ったらAが気に入って食べてたシュークリーム屋さんを見つけて、



ちょうどええわ。これにしよ。



そう思って足ばやに横断歩道を渡ろうとした時、







誰かに腕を掴まれた。







「忠義、」







聞き覚えのある声でそう呼ばれた。





首を回して後ろを見ると俺の手首を掴む色白のきしゃな手とその持ち主を確かに俺は知ってる。






「....ジュリ、!

ちょお、お前何してんねん、」






俺はただ焦るだけで横断歩道のど真ん中やし止まることもできへん。





振り払えば良かったんやろうけど、

俺の体はただ引っ張られるがままに進んでもうて



信号が赤に変わる頃にはもときた道の方へ連れ戻されとった。







「ちょ、ええ加減にし。」






向こうの大通りよりかは人の少ないビルとビルの間で、

ようやく俺はその手を振り払う。






目の前におる人形のような綺麗な顔は悪びれる様子もなく笑いかけてきた。






「久しぶり、忠義。」









.

後ろめたさ→←寂しくない



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設定タグ:大倉忠義 , 関ジャニ∞ , 小説   
作品ジャンル:恋愛
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けー(プロフ) - はじめまして、いつも密かに読ませていただいてます。丸山さんのお話を読みたいのですがパスワードをお教えいただけませんでしょうか?二十歳はとっくに過ぎてます(苦笑) (2018年2月5日 17時) (レス) id: 0a1704cff3 (このIDを非表示/違反報告)
かなえ(プロフ) - はじめまして!いつも楽しくお話読ませていただいてます。丸山さんの話の続きがとても気になるのでパスワード教えていただけると嬉しいです! (2018年1月29日 15時) (レス) id: f6bacbef98 (このIDを非表示/違反報告)
ねねけろ(プロフ) - 本気で愛深めました、連載お疲れ様でした!何回も最初から読み返すほど大好きな作品です!コメントで申し訳ないんですけど丸山さんの作品パスワーク教えていただけますか?成人はしてます!! (2018年1月28日 18時) (レス) id: 88a3919034 (このIDを非表示/違反報告)
ぐん(プロフ) - はじめまして、ボードにたどり着けずこちらから失礼致します。丸山さんのお話拝見していました。是非続きを拝見させていただいたいので、パスワードを教えて頂けないでしょうか? (2018年1月27日 12時) (レス) id: f286bcfcbe (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - はじめまして!ボードにたどり着けず…こちらから失礼します。続きがとっても読みたいです。パスワードを教えていただけると嬉しいです! (2018年1月26日 21時) (レス) id: 323a1bc773 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たむこ | 作成日時:2017年12月3日 10時

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