No.19 ページ19
緑谷side
小さい頃にA君から言われたことがあった。きっとA君も覚えてないくらい昔のこと。
８月中旬に2回目の虫取をした日。暑くてでも楽しかった虫取。その時にまるで今日のことを予言したみたいな発言をしてくれた。
「最小限の力で最大限の結果を出すことが将来的に大切になると思うんだ。例えば虫取だったら虫取編みを全身使って振るより手だけの方が楽みたいな？体感指先だけを使うみたいに。指先だけを使うことが役に立つこともあるからね」
それはどこか大人びてて当時はよくわからなかったけど腕を振るだけじゃダメだ。相澤先生の言う通りこのままじゃヒーローになんてなれやしない。僕は人より何倍も頑張らないと……だめなんだ！
最小限の力で最大限の結果を出す。だから全力で！！
「今！！」
僕に出来ることを！！！
……痛いけど……あの痛み……程じゃない！！
「先生……！まだ動けます」
Aside
個性指先だけに使ってボールを飛ばした。記録は705.3m負けちゃったか。やっぱすごいな。
「……！どーいうことだ。こら。ワケを言え。デクてめぇ！！それにイカ野郎もだ！デクの個性についてしってんだろ！？」
「うわああ！！」
「いや。個性が発現したくらいしか知らないね」
普通にデク君から聞いたのはこれだけだし。
「んぐぇ！！ぐっ……んだ。この布固っ……！！」
爆豪に束縛布が巻き付く。デク君へと向かう足は一向に進まない。相澤先生の髪は浮かび上がり目を光らせる。それで個性を使用しているのが分かった。
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ「捕縛武器」だ。ったく……何度も"個性"使わすなよ……」
「俺はドライアイなんだ」
『個性凄いのにもったいない！！』
そう皆の思いがシンクロする。本当にもったいないよね。
「時間がもったいない。次準備しろ」
そうして個性把握テストは終わり結果発表の時間。
「んじゃ、パパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
順位は11番で平凡なところ。そしてデク君は最下位。
「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を出す合理的虚偽」
まあ除籍するき満々だったのは知らない方が幸せだし。
「「はー！？」」
またしても皆の声が重なる。普通そうなるよね。
「これにて終わりだ教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。緑谷
そう言葉を残して相澤先生は職員室へと向かっていった。
そして下校時間になる。デク君は飯田君と帰るので１人悲しく下校しました。
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作者名：細波 | 作成日時：2024年3月28日 22時
