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医務室の月明かり 2 ページ30

Aは思わず仕切りから顔を出した。
そして、2人の男の子と目が合った。

「……あっ、ごめん」
Aは咄嗟に謝った。
「急に…ごめんなさい」

2人はAと同じ1年生と思われた。
「大丈夫だよ。……マダム・ポンフリーはもう行っちゃったよね?」
包帯を顔にグルグル巻きにされている、なんか可哀想な状態の男の子が聞いた。

「あー、うん。どっか行った」
「そんなぁ、僕包帯の巻き方分かんないよ」
包帯を顔にグルグル巻に締め上げている側の男の子が嘆いた。

「……良ければ、私やるよ?」

「……ありがとう。でもそんな可哀想なものを見る目で僕を見ないで……アイタッ」
「ごめん、なんか引っ張っちゃった」

こうしてAは、人の頭に包帯をグルグル巻くというよく分からない状態に至ったのである。



「すごい、君器用だね」
先程まで包帯を巻いてあげていた男の子が感心したように言った。



「逆にどうしたらあんなミイラになっちゃうのか分からないよ……
あ、ちょっと顔上げて?」
Aは男の子の頬っぺたを両手で掴んだ。

「え……」
「ごめんだけど、少しだけ我慢してね」
Aはぐいっと少年の顔を持ち上げた。

その時、予期していなかったものがAの目に飛び込んできた。



「………これ、」

Aは言葉を詰まらせた。

顔にあったその傷は大きく深く、とても痛々しいものだった。

首元からちらっと見えた傷も、小さな身体には似合わない大きな傷だった。

「そんなに見られると恥ずかしいな…」

「あ…ごめんね」
Aはぱっと包帯に視線を戻した。

何だか彼の声は重苦しく、傷の理由を聞いてはいけないような気がしたのだ。

「…………」
Aは無言で杖を取り出した。

「え?」
少年は固まったが、Aは気にせず杖を振り上げた。

「ちょちょちょちょ何する気!ごめん!!何もしてないけどごめん!!」
傷だらけの少年が慌てて身を守る。

しかし、Aの唱える呪文の方が速かった。
「エピスキー!」

「いだっ!!」

少年は顔を顰めたが、すぐに細めていた目を開けた。
「………傷が少なくなった…すごっ……」
離れて見ていた少年も口をぽかんと開ける。

「完全に消せなくてごめんね……。
でも痛そうだったから、つい……はい、包帯も巻き終わったよ。一丁上がり」


「……ワーオ」
離れて見ていた少年が口に手を当てた。

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はじめ(プロフ) - マニ。さん» 応援ありがとうございます!あまり頻繁にはお返事できないかもしれませんが、それでもよろしければよろしくお願いします! (1月31日 6時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - はじめさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます!💖 (1月21日 16時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - ケロッとさん» 応援ありがとうございます!!嬉しいです……!! (2019年11月22日 22時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)
ケロッと - ハリポタ作品をみていたらこんなに素晴らしい作品を見つけてしまい手が止まりませんでした!本当に神作品です!頑張りすぎずに更新頑張ってください!応援してます (2019年11月22日 19時) (レス) id: 35751de350 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ(プロフ) - さくらんぼ&チェリー@サブさん» そう言っていただけて感激です…! 力の限り頑張ります!! (2019年11月19日 7時) (レス) id: ee6ba55d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はじめ | 作成日時:2019年11月10日 16時

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