ただ、愛しくて。[Tatsuya.F]

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辰哉「ごめん、雪乃。ため息吐いちゃった。
ため息ついたら幸せ逃げちゃうのに笑

今日色々あってさ、なんか俺にしては珍しくメンタル来てるわ」


まるで目の前に雪乃がいるかのように喋っているけど、返事は当然ない


辰哉「俺、ちゃんと小春のパパできてんのかな、、、」


思わず漏れてしまった弱音が静かな空間に溶け込んでいく


雪乃が亡くなってすぐは、俺の母親が小春の世話を手伝ってくれていた


そのおかげで俺は今よりも余裕を持って仕事も育児もできていた


しかし、数ヶ月前に母親が腰を痛めてからはあまり動くことができなくなり


母親の身体も心配なので、俺1人で頑張ると決めた


それなのに現実はそう甘くはなく


仕事と育児を両立するにはあまりにも足りない時間


そして、その２つの最低レベルを毎日クリアするのが精一杯で自分の時間なんて無いに等しかった


それでも、小春のため、小春を俺に託してくれた雪乃のため


そう思って自分を奮い立たせているが、不安は常につきまとう


言うなれば働き盛りであるこの時期に、仕事を疎かにしたくはないし


同期たちにも育児が理由で負けたくない


でも小春にとってのパパは俺しかいない


パパとしての役割を貫かなくてはならないのも事実だった


俺のこの悲しみを分かってくれる人なんて当たり前だけどそう簡単にはいない


色んな感情が溢れて気づけば静かに涙が零れ落ちていた


辰哉「ダセェな、こんなことで泣いてる場合じゃねーのに」


手に持っている写真立てが俺の涙で濡れていく


こんなに弱ってしまってる日には、無性に雪乃に会いたくなる


辰哉「雪乃、、、会いたいよ。」


叶うはずもない願いを俺はつぶやいた

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