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【十夕目 カラクリの技師】 ページ13

バラバラバラッ...とうつ伏せの私の周りで音がする。



間違いない。屋根が崩れたのだ。

(目立たないようにと思った次の瞬間これだ...。)

しくじった。完全に失態だ。
人様の屋根を崩したのだ。流石に目立つ。


フードを押さえつつ、恐る恐る顔を上げた。

辺りには見馴れない鉄で出来てる何かが多くあった。


『...なんなんだ...ここ...?』

いや、待て。


?「....。」

凝視されている。
男に。



や ら か し た

『あっ...いや...その...』

沈黙が続く。


『すまない...その、あれだ...屋根を歩いてたら崩れて...すまなかった...。』


?「どうやって登ったんだ。」


『...跳び乗った。』
間の沈黙が重い。
昔の友人にも人の物だけは壊してはいけないと注意されていた。

?「機械が壊れなかったからよかったが...それより跳びのる位の脚力とは...面白い」

ぶつぶついい始めたと思ったが、面白い単語が聞こえたので聞いてみる。

『その、機械ってなんだ?』

?「何?機械も知らないのか?」

『...もしかして、これのことか?』

後ろにある、勝手に歯車が動いている鉄の物を指差す。

?「ああ、此処に有るもの殆どが機械だ。」

『...これは勝手に動いてるが...全部動くのか?』

?「ああ。」

見渡す限り一面にある鉄でできた機械というもの。

どれも見たことの無いものだ。


男はある機械に黒い豆を入れると、出っぱている四角いものを押し込んだ。

すると、その機械というものは音をたてて軽く振動すると、
下に置かれていたコップに黒い液体を注いだ。
鼻を擽る、癖になる匂いだ。
豆からも同じ匂いがしたということは、この機械は豆を一瞬で液体にしたのか。


『凄いっ!これ、どうなってるんだっ!?』

昔、友人と話していた頃と同じ気持ちが胸を満たした。
知りたい。理解したい。
そんな気持ちだ。


?「興味あるのか?」

『ああ!だって、まるで...錬金術、だったか?それみたいだ!豆が液体になるなんて、どういうことなんだ!?』

顔が見えない位のぎりぎりの位置まで近寄って、食い入るように彼を覗き込む。

すると、嬉しそうな顔をして彼は饒舌に語り出した。

この機械は豆を液体にするのではなく、豆を圧縮して成分を取りだし、それを機械に入っているお湯に溶かしだすものらしい。人間の手でやると手間と時間がかかるが、この機械にかかれば一瞬なのだ。

『それは...凄いな!そんな物が存在するなんて興味深い!他の機械はどういうことをするんだ?』

?「ああ、こっちは...」

気がついたら天井が塞がってたのは、この昂る感情により私から漏れた力の所存に違いない。

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白い玉(プロフ) - ゆりさん» ありがとうございます!!頑張ります! (2018年1月13日 14時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 白い玉さん» 面白い話しで好きです。最新頑張って下さい。 (2018年1月13日 14時) (レス) id: 5d18b714a6 (このIDを非表示/違反報告)
* *花菜**(プロフ) - 白い玉さん» おやすみw (2018年1月7日 16時) (レス) id: 10d63d3fb8 (このIDを非表示/違反報告)
白い玉(プロフ) - * *花菜**さん» ありがとうね!今日は片頭痛がするから寝るよ笑 (2018年1月7日 16時) (レス) id: b06dc51979 (このIDを非表示/違反報告)
* *花菜**(プロフ) - 新作おめでとう! (2018年1月7日 16時) (レス) id: 10d63d3fb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い玉 | 作成日時:2018年1月7日 10時

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