22.おちゃらけ要員 ページ22
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煩悩だった。
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私がもしこの企画で、いい実績を残せたら二宮さんも少しは私のこと認めてくれるんじゃないかな。
私のこと、褒めてくれるんじゃないかな。
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成長して帰って来れたら、二宮さんにちょっとは「出来るやつ」って思われるかもしれない。
そう、思われたい。
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ーーー…潤『大丈夫。心配しなくても企画が終わったらまた教育係はニノに戻るから』
『へっ？私心配なんて…』
潤『…あ(笑)』
翔『な、言っただろ？自覚ナシだって』
潤『こりゃニノも大変だわ』
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くはは、ってお二人が笑う姿はもう人間国宝。
まるで一枚の絵画のようで内容なんか頭に入って来なかった。
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ツカツカと5センチヒールを鳴らしてオフィスに戻る。
お二人に足止めを食らっていたから、お昼休みは基本的にオーバー。
大野さんには話が通ってるから大丈夫だよ、って松本さんが言ってくれたから何の心配はない。
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…と、思ってた。
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和也「遅刻とか大した度胸してんなお前」
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そんなツカツカとしたヒールを鳴らせるのも一人の時だけ。
オフィスに入るや否や、有無も言わさず私の前に現れた狼のように不機嫌マックスの二宮さん。
さっきまでの自信は何処。私は狙われた獲物のように身を縮める。
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「す、すみませ…」
和也「何してんだよ、先に戻っとけっつったよな？俺」
「あの、大野さんからてっきり聞いてるものだと思ってしまって…」
和也「あ？大野？」
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とんとんとん、と二宮さんの革靴がカーペットを叩く音。
久しぶりのイラつき加減に体が慣れてない。
うう、どうしよう…。って肩を落とした瞬間。
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雅紀「Aちゃん、企画に選ばれたんだって！？」
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…まるで空気を読めない人が、一人この闇すぎる雰囲気に飛び込んできて。
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雅紀「…ん？あれ？」
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さすがの雅紀くんも察する力を発揮。
キョロキョロと私と二宮さんを交互に見て「あ、俺これやっちゃったやつ？」って固まる。
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和也「ーーー…栗巻」
「っはい」
和也「ちょっと来い」
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……そうなりますよね。
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