王子様達の婚約者【2j3j】

16.GameOver ページ17

貴方side






ギュッと目をつむったが、一向に痛みは私を貫かなかった







「(あれ、なんで…………)」






おそるおそる目を開くと、警備の人が別の所を見つめていた






「おい、お前誰に剣向けてんだ？」






暗闇で何も見えないなか、そんな声があたりに響く






目を凝らすと真っ赤な目が少しずつこちらに近づいていることがわかった






足音と共に姿がハッキリしてきた






真っ白な髪の毛と真っ赤な瞳、圧倒的なオーラ






「(クズハ様だ………






まって、やばい見つかった)」






私と目が合うなり、「何してんだよ」、と言いたげな顔を向けられた






すると、もうひとつの足音が私たちのところに近づいてくる






「ちょっと〜、クズハさん？まだ話の途………中」






後ろから来ていたのはハヤト様だった






ハヤト様は私たちの状況を見るなり瞳が冷たくなった






「我々の婚約者にこんな待遇をしたんですね…






これは……、どういった処分にしましょうか」






そう言われ瞬間、警備さんが顔面蒼白になりかわり、剣を戻してハヤト様に






「も、申し訳ありません！！！！






まさか、皇太子様の婚約者様とは思わず…






侵入者だと思い込んでしまって………」






それでも、ハヤト様の冷ややかな目は変わらなかった






でも、勘違いするよね…






そう考えたから、






「警備さんの行動は正しいです！！






私に非があります、処分は私に……」






私は急いで立ち上がってハキハキとした声で二人にそう伝えた






二人は少し目を開いて、私を見つめた






少しの沈黙が4人の間に流れる






「どーすんの？ハヤトさん」






沈黙を破ったのはクズハ様だった






ハヤト様は少しだけ目を伏せた後、息をつき、






「そうですか…






処分は後ほど伝えます、身体が冷えるのでもう部屋に戻ってください






貴方も、早く持ち場へ」






と、ハヤト様が話した






横にいた警備さんから安堵した雰囲気が漂ってきた







ハヤト様はそのまま来た道を戻っていく






警備さんも敬礼をして持ち場へ戻っていく






がんばればこのまま逃げれるか……？？？






そんな私の思いを悟ったかの様に






「ハヤトさーーん、俺、こいつ部屋まで送っていくわ」






ハヤト様に向かってそう叫ぶクズハ様






逃げれなくなっちゃった……






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