王子様達の婚約者【2j3j】

10.寝起きドッキリ ページ11

貴女side





　

微かに鳥の鳴き声が耳に入り込む









少しずつまぶたを持ち上げる








「…………………んっ」








日の光が急にまぶたに入り込んできて声を漏らしてしまった








「あ、Aちゃん、おはよ〜」








「おはよ、ございますぅ………」








「にゃはは〜、ねむねむにゃんこやねぇ(笑)」








「………………………え？？？」









目の前で揺れる、派手なメッシュ









少しずつ頭のもやが晴れ覚醒していく








「あれ？髪きれいになっとる〜








ショートもかわいいね〜」



　




そういいながら髪を触るミナト様







いや、







「何でここにいるんですか！？！？」








ガバッ、と体を持ち上げ、ミナト様に目線を向ける








「ん〜、……………寝起きドッキリってやつ？」







「はぁ、そうですか」







私は気づいた







ミナト様とは会話がうまく行かないと()







「そういえば、Aちゃん、髪に未練ないの？」







「未練……ですか？」







「女の子は髪の毛命ｯ!て、感じかと思ってたから」







私の短くなった髪を指でくるくると絡ませながらそう言ってくる







いや、距離感近いな







「未練、はないですよ






何となく切るのがめんどくさかっただけですし…






自分で切る勇気なかったのでむしろ清々しいです」






そう、思ったままのことを伝えた






「………ふ〜ん」







引き続き髪を指に絡ませて遊ぶミナト様



　



「あ、そういえば私は何時ごろ帰らせてもらえますか？」








パッと思い浮かんだ疑問を投げ掛けた







一瞬きょとんとするミナト様








少しの間が二人の空間に流れる








「ミナト様……？」






髪に隠れて見えなくなったミナト様の顔を覗こうとした



　




覗く前にぱっ、とミナト様の顔があがる








「んー、だいじょーぶよ





夕方までにはAちゃんのお母さんたちに会えると思うから」








本心が掴めない、紫色の瞳が私を射ぬく








「っ………、そうですか、楽しみです！！」








一瞬、息をのんだが、喜びが先走った








「(お母さんたちに会えるのか、楽しみだな〜)」








私はどこか浮き足立っていたらしい……








怪しげに微笑むミナト様なんて目に映らなかった






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