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科代A side



あれから、たくさんの月日が経った。



ゆきちゃんとは、それなりに仲良しになれたと思う。



ある日、おれは殿に言われて桜草の間に通された。



障子を開けると、先にゆきちゃんが来ていた。



『ゆきちゃん、おはよう』



不動「へ!?あ、A、おはようっ」



ゆきちゃんは座布団に正座して、なぜかかちこちに固まっている。



おれは不思議に思いながら、ゆきちゃんの近くの座布団に腰を下ろした。



しばらくして、ゆきちゃんは深く深呼吸をして、おれの方を向いた。



不動「…A、あのね」



『?』



不動「俺、Aのことが好き…好き、大好きっ」



『…!』



不動「…友達としての好き、じゃないんだ…」



ゆきちゃんは、おれの手を優しく握り、指を絡めた。



不動「こういう、好き…」




真っ赤な顔をして、そう続ける。



それにつられておれも顔が熱くなっていくのが分かった。



そっか。おれも、とっくにゆきちゃんに恋してたんだ。



不動「ねぇ、Aは俺のこと、どう思ってる…?」



『……おれも、おんなじ好き…』



そう口に出すと、ゆきちゃんは嬉しそうに笑った。



















こんな幸せが、いつまでも続くと思っていた。








桜草
英名:プリムラ
花言葉:初恋

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作者名:たまみさん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月2日 23時

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