こじれてほどけてつながって【刀剣乱舞】 (ページ23)

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薬研藤四郎 side

昨日、自室で本を読んでいると、襖を叩く音がした。

薬研「おう、入っていいぜ」

不動「…」

訪ねて来たのは不動だった。戦装束に身を包み、大きな荷物を持っている。

薬研「どうした不動、その荷物」

不動「修行に出てくるよ。…いい加減、向き合おうと思って」

いつものだらだらとした喋り方ではなく、昔と同じ喋り方をしていた。酒を抜いてるのか、珍しいな。

薬研「…そうか」

不動「……行ってくるよ」

薬研「…ん。頑張れよ」

不動はそのまま襖を閉めて、修行へ行った。

不動はAが遠征で本丸にいないときに出ていったから、Aは今日慌てた様子で帰ってきた。

そして不動が修行に出たと分かると、不動が心配なのかぼろぼろと涙を流し始めた。

……もう、これで終わりにしよう。

きっと不動は信長さんに会って、きちんと改心して戻ってくるんだろう。

多分、Aとも恋仲に戻るはずだ。

薬研「…ほら、泣くなよ」

…すまん、不動、A。俺、これで終わりにするから。

Aの前髪をかき上げて、額に唇を落とす。

これで終わりにしよう。Aを想うのは、もう。

俺は大将から預かっていた不動からの手紙をAに渡した。