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薬研藤四郎 side



朝飯を食べようと席に着くと、隣に不動が座ってきた。



薬研「お、おはよう不動。珍しいな、俺のところに来るなんて」



不動「…別に、いいだろ」



なんだかいつにも増してむすっとしている気がする。



不動「…お前、あいつと何してたんだよ」



薬研「あいつ?」



首をかしげると不動がどこかを見つめているのに気が付く。



そこには、小夜と隣で話しているAがいた。



薬研「あいつって、Aのことか」



不動「…仲良さそうだな、お前ら」



ぐいっと甘酒を煽ってそう呟く不動。素直じゃねえな、本当に。



薬研「不動」



不動「あぁ?」



薬研「いつまでもそうしてると、俺が貰うぜ。Aのこと」



不動「……ッ」



Aを見ていた不動は俺をキッと睨み、拳を握り締めた。



薬研「はは、そう睨むなよ」



なんだ、結局好きなんじゃねぇか。



今からでも遅くねぇだろ。嫌われてるって思ってるAの誤解を早く解いてやれば良いのに。



薬研「…俺は本気だぜ。あいつはいつまでもお前のことしか見てねぇだろうがな」



不動「……」



不動は黙り込んでしまった。なんとなく俺はその場を離れた。



もう叶わない恋なんだと身に染みて感じて、鼻の奥がつんと痛んだ気がしたから。

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作者名:たまみさん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月2日 23時

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