19 ページ20
科代A side
『ゆ……不動っ』
ある日廊下でゆきちゃんを見かけたので、懲りずに話しかける。
あだ名で呼ぶのをすごく嫌がるので、不動と呼んでみた。
「…今酒飲んでるから、邪魔するなよ」
…まぁ、このざまなのだけど。
一振りになった廊下で肩を落とす。でもこれから朝食なので気を取り直して歩き出した。
大広間に入る前にぱちんと頬を叩き、襖を開ける。
信濃「あっ、Aおはよう!ちょっと懐入れてっ」
『おはよう、っておれの懐?』
おれを見るなり飛び付いてきた信濃に驚いていると奥の方から後藤がやってきた。
後藤「信濃!観念しろ〜!!」
信濃「ぎゃー!!やめてよっ、俺くすぐったいの苦手なんだって!」
後藤は信濃をちょこちょとくすぐっている。
信濃「あはははっ!く、くすぐったい!」
信濃が後藤に捕まっているのを見ていると後ろからぽんと肩を叩かれた。
宗三「A、おはようございます。今日は僕の隣に来ませんか」
宗三さんはよくおれに話しかけてくれる。昔からの知り合いなので仲は良い方だ。
『いいの?』
宗三「えぇ。お小夜が喜びますし、僕も嬉しいですから」
宗三さんは優しく笑ってそう言った。主君は宗三さんを素直じゃないと言っていたけど、おれは素直な人だと思う。
『ありがとう、宗三さん』
おれは宗三さんに着いて行き、席に着いている小夜と江雪さんに手を振った。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ