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(過去編終了です。長くなってしまいすみません)



『……』



縁側でうたた寝をしていたら、懐かしい夢を見た。おれが蘭丸さまに仕えていたころのこと。



…ゆきちゃん、今日も話してくれないのかな。



今の主君に顕現された後、この本丸にゆきちゃんがいると薬研から聞いて会ってみたら、以前のゆきちゃんとは性格がすっかり変わっていた。



やけになり甘酒を飲んで、酔っ払っているらしい。



甘酒はそんなに強いお酒じゃないのに、酔っ払っちゃうゆきちゃんに笑みが溢れた。



……まぁ、それも初めのころだけで、今は笑っている場合じゃないけれど。



ゆきちゃんはおれと話をしてくれなくなった。おれが話しかけようとすると、必ず逃げていく。



最初の頃こそ根気強く構いに行っていたものの、最近はおれを見るたび本当に嫌そうにしている。



やっぱり、おれだけ本能寺から逃げたことを恨んでいるのだろうな、と思う。



あのとき、這ってでもあそこに戻ればよかった。足なんて手入れでいくらでも治るのだから。



『……っ』



じわじわと涙で視界が濡れて、そのまま内番服に染みを作っていく。



袖で涙を拭おうと目に手を持っていって雑に擦ると、誰かに腕を掴まれた。

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作者名:たまみさん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月2日 23時

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