検索窓
今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:2,832 hit

16 ページ17

目を開けたら、そこは知らない場所だった。



作りと雰囲気からして、和室だろうか。



薬研「…A、」



ふと、懐かしい声に名前を呼ばれた。



『……や、げ』



ん、まで言い終わる前に力強く抱きしめられた。



薬研「A…A…!会いたかった…っ」



薬研はおれを抱きしめて涙を流している。おれもつられて視界が滲む。



『おれも、嬉しい…薬研、また会えたね』



そうして抱きしめ合っていると、薬研の後ろから誰かが歩いてきた。



審神者「薬研、その子が…」



薬研「あぁ、大将。そうだ」



薬研が大将と呼ぶその人は、気配からして人間だろうか。



薬研「A、よく聞いてくれ。お前は今日からここで暮らす。そして、この人に仕える…急すぎて理解できないかもしれんが、すまん」



審神者「…科代、だよな。突然ごめん。薬研から大体聞いてるから、無理しなくていいぞ」



薬研の話(ざっくり)によると、おれたち刀は歴史を守るために人の身を得て、審神者なるものに仕え、戦うとのことだった。



…蘭丸さまはもういない。あの人以外に仕えるというのは、違和感はあるが嫌ではない。



おれのことを案じてくれるくらいの人なのだから、きっといい人なのだろう。










蘭丸「…どうか、あの子が大事にされますように。あの子が幸せになりますように」










蘭丸さまの声が聞こえた気がした。



…蘭丸さまに尽くせなかった分、この人に尽くしてみよう。



『…ううん、大丈夫…です。あなたは、おれを使ってくれますか?』



審神者「うん、もちろん。お前さえ良ければ」



『…約束、ですよ。たくさん使ってください、主君』



薬研「A…いいのか」



『うん。蘭丸さまには会えたから。今の主君のために尽くすよ』



おれは改めて主君に向き直る。



『科代A、森蘭丸さまの愛刀…今は、あなたの刀ですね。改めて…よろしくお願いします、主君』

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たまみさん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月2日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。