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やがて城は焼け落ちた。明智秀光さまは城の中で腹を切ったのであろう。



…そこからの記憶は、曖昧だ。



堀さまが豊臣秀吉さまへとおれたちを献上したのだったか、薬研と一緒に豊臣家へと渡ったことは覚えている。



そこで、薬研のお兄さんや兄弟、天下五剣の……誰だっただろうか。



そんな刀たちと一緒に過ごしたことも、ぼんやりと記憶にある。



が、まもなく大阪夏の陣が始まった。



………おれは、焼けた。



最後まで薬研と一緒にいられたことが唯一の救いだった。
















『や、げん……あついねぇ、』



薬研「…そう、だな……もう、足が動かねぇや」



『これで、ゆきちゃんに…もういちど、会えるのかなあ…』



薬研「…会えるだろ、あいつお前のこと大好きじゃねぇか」



『…そっか、…』



薬研「…お前とも、また会えるかな」



『うん、きっと』



薬研「…はは、そうか」

















あのときの薬研の嬉しそうな笑顔だけははっきりと覚えている。



気付いたらおれは、真っ白な空間に一振り立っていた。

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作者名:たまみさん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年10月2日 23時

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