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秀光「…やはりこのような名刀を失うのは恐ろしい…お前たちは堀秀政のところに託そう」
明智秀光さまはそう仰って堀秀政さまを見た。
堀「……承知した」
堀さまはそう頷いた後、こちらへ歩み寄ってきた。
堀「二振りとも、遅れて申し訳ない」
堀さまが深く頭を下げるので、おれたちは慌てて頭を上げてもらう。
薬研「別にあんたのせいじゃねぇよ」
『そうですよ、気にしないでください』
堀さまはいささか不服そうだが、こくりと頷いた。
堀「…殿より承りし貴殿ら名刀は、私がお守りします故、何卒」
薬研と目を合わせて、もちろんだと頷いた。
堀さまは「護衛です」と仰って、おれたちに数人の武士をつけた。
それからほどなくして坂本城の周りは堀さまの軍によって包囲された。
秀光「……ここまでか」
明智秀光さまは悔しそうにそう仰り、城の中へと戻って行った。
堀「……」
しばらくすると、城の一部から煙が上がり、それは一瞬にして城全体に広がった。
薬研「…A、大丈夫か」
『うん、大丈夫』
薬研はきっと、本能寺でのことを思い出さないのかと心配してくれているんだろう。
思い出しはするが、もうあの夢も見ていないしそんなに怖くはない。
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