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ある日、安土城が接収となって坂本城へとおれたちは移った。
明智さまのお城にいるのは少し気分が良くないが、おれが一振りで逆らっても迷惑なだけなので、じっとこらえた。
薬研「A、おはようさん」
『薬研、おはよう』
でも、薬研とは一緒にいられる。薬研が隣にいてくれるから、これくらいどうってことない。
薬研「…なんだか外が騒がしいな」
『ほんとだ……お客さまかな』
二振りで城の外を除いてみると、外には見慣れた軍がいた。
『堀秀政さま……!』
薬研「お、本当だ。何しに来たんだろうな」
堀秀政さまは、殿の家臣であるお方。そんなお方がこの城に何の用なのだろうか。
二振りで首をひねっていると、慌ただしく誰かが走ってきた。
武士「薬研、科代!ちょっと来てくれ!!」
『??』
薬研「…A、行くぞ」
薬研はおれの手を引いて、前を早歩きする武士についていく。
武士はそのまま城の外へと出た。
武士「秀光さま、連れて参りました」
秀光「おぉ、来たか……」
そこには、焦った様子の明智秀光さまがいた。
明智秀光さまは、明智光秀さまの重臣であるお方だ。
おれたちのいた安土城を接収したのはこのお方である。
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