こじれてほどけてつながって【刀剣乱舞】 (ページ12)

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「熱い、暑い…助けて」

「なんでお前は生きてるんだ」

「自分だけ助かって、ずるいやつめ」

「どうして助けに来てくれなかったの？」

「お前だけよくものうのうと…」

「「「お前なんて＿＿＿＿」」」

『…っ！！！』

がばりと布団を剥いで起き上がる。

汗はかいていないが、背筋が寒い。ぞぞ、と悪寒がする。

また、この夢だ。

燃える本能寺の中には蘭丸さまや殿、おれの大好きなゆきちゃんがいて、みんなおれを真っ直ぐ見て立ってる。

暑い、熱いと繰り返しながらだんだんこっちに近寄ってきて、最後にはおれの方にその手が伸ばされる。

怖くて目を手で隠すと、目が覚める。

この夢を、あの日からよく見る。

薬研「ん…どうした、A。またあの夢か」

おれが起きるとそれを感じた薬研も必ず起きてくれて、自分の布団におれを入れてくれる。

おれたちは人間ではないため、刀の手入れをすれば傷が治る。薬研が手入れをしてくれたので足や他の傷も治り、おれは動くことができるようになった。

薬研「ほら、来い」

薬研はおれの手を優しく引き、布団に誘導する。

そのままおれの身体をぎゅっと抱き寄せて、背中を撫でてくれる。

抱き癖のある赤ん坊みたいで情けないが、こうしてもらううちにあの夢を見る回数も減ってきている。

蘭丸さま、殿、ゆきちゃんは、おれのことを恨んでいるのだろうか。