有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

43話 蝶の羽 ページ45

〜超屋敷〜









胡蝶｢.......はぁ.......

Aさんに似合う羽はどれでしょうか.......｣





胡蝶は

庭にいる様々な蝶の羽を目で追いながら
かなり迷っていた。

ため息までついている。



.......かれこれ1時間。

蝶屋敷の者は、胡蝶がどうかしたのかと
心配になるほど。






冨岡には、






【直感ですよ！！】





とは言ったものの、そんなの嘘で

そんなことできるわけが無い。


さすがに役者、Aの物となると
慎重に選ばなければ.......
いや、むしろ、慎重に選びたいところだった。


実は、胡蝶は柊の演舞が好きで、
一年に一度は必ず
舞台上の柊の舞台を見に行っていた。




.......前までは、姉のカナエと共に。




が、それも出来なくなり、
今回は甘露寺と共に柊を見に行く。



最初、

あの、役者のAが
まさかの、あの冨岡と知り合い

ということを知り、嫉妬しかなかったが

恋人じゃないなら.......






許しましょう。←

という事だ。








胡蝶｢......！


........Aさんは大丈夫でしょうか。｣




随分と時間が経ってしまっていた。

ほったらかしすぎた、と後悔する。





胡蝶は、Aの身につけるものを選べることに
舞い上がっていたのだ。


Aは、姉との思い出の1部。


それを、冨岡が鬼にした.......
というなら、怒りたくもなったが
それは違うらしい







...........






ふと、


冨岡さんは、大丈夫かしら。

なんて考えが浮かび上がる。





.......冨岡を心配している訳じゃない。





着物だ。




申し訳ないが、冨岡にセンスがあるとは思えない






胡蝶(.............

やっぱり私が行った方が良かったでしょうか)









ｶﾞﾁｬ、









Aの部屋の扉を開ける。


鬼になってしまったAのために、
カーテンは閉めっぱなしだった。

が.......





胡蝶｢.......暗すぎますね。


少しなら、開けてもよろしいでしょうか｣




なかなかの陰気臭い部屋になっていた。



今まで、冨岡がAを抱えながら
日の中を歩いてきたのだから大丈夫、


と、少しだけカーテンを開ける。




.......









ヒラリ









胡蝶の目の前を、蝶が横切った。






大きな羽だ。




白と、黒の蝶。





飛び方が優雅で、









Aに似合う蝶。









胡蝶｢あれは



.......オオゴマダラ｣









.......こちらも


蝶の羽を選び終わったらしい。

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