42話 サムシングブルー ページ44
聞きなれない単語に、冨岡は眉をひそめた。
さむ.......なんだって?
鏡「あぁ、ごめんなさい。
サムシングブルー
といいます。
私、異国の方とよくお話をするもので.......
こういうものに詳しいんです。
女性は祝言を挙げる時に、白を身に纏うでしょう。
その中に、少しばかりの青を取り入れるんです。」
.............祝言
という言葉に体が反応する。
いや、確かに、白地に、少しの青だが
祝言のために渡すわけではない.......
鏡「サムシングブルーには、
着ている人の誠実さと、愛情、
という意味が込められています。
.......とても縁起の良い色なのですよ。
どうですか?」
その言葉に、少し心が揺らぐ。
誠実さ.......寛容な心.......
冨岡「......祝言を挙げるために贈る物ではないし、
.......さむしんぐぶるー.......だったか。
特別それを意識している訳でもない。
.......だが、これにする。
あいつは、これが似合う。」
冨岡は、はっきりとそう言った。
この着物をAに贈ってやりたい。
.......着てるところが見てみたい。
僅かな、欲。
そして、完全にもう敬語が抜けた。
.......この人相手に、敬語を使うことが疲れたのだ。
鏡「そうですか、分かりました。
では、帯は灰色が良いと思います。
柊模様の、こちらはどうでしょうか。」
鏡が差し出してきた帯.......
柊模様.......
.......何も狙って無いわけがない。
何かを頑なに主張してくる。推しが強い。
冨岡は、おず、と体を引くが
鏡はどんどん話を進めていく。
鏡「帯締めと、帯留めも、
選ばなくてはいけませんね。
帯揚げは、元々の黒い帯を使えば良いと思います。」
.......もうこの女、隠す気がない。
Aのことを完全に知っている。
絶対に柊の人間だ。
...こっちだって、もう隠す気は無い。
冨岡「Aの帯締めは、これ。
帯留めは、これ。.......以上だ。」
.......さっさと決めたつもりだったが
鏡「ふふ、あらあら。」
....にやにやと笑われた。
冨岡は居心地が悪くなり
着物を持って、店員に向かって逃げた。
鏡(.............
帯締めは、冨岡さんの目と同じ、群青.....
帯留めは、白の紫陽花.......
意外と、独占欲が強いのね。)
なんて、思われてるとは知らずに。
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ベルモット - 拝読させて頂きました。夢主の設定やイメージ画が結構好みでした。鬼達とどの様に戦うか?楽しみです。私ベルモットも夢小説を投稿している身なので参考にさせて頂いております。 (2019年11月25日 20時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
tim(プロフ) - 狂狐さん» ぁぁぁ.......泣きそう。ありがとうございます。物語の構成が、少しややこしいかな〜、と、心配だったので、その言葉が身に染みます.......笑。がんばります!! (2019年10月25日 5時) (レス) id: fb565d856b (このIDを非表示/違反報告)
狂狐(プロフ) - とても面白い!夢主の性格や物語の構成など好きしか言葉が出なくなる語彙力低下の症状が……(((更新頑張ってください!応援してます! (2019年10月24日 22時) (レス) id: 8ba41bb7e5 (このIDを非表示/違反報告)
tim(プロフ) - ぐみさん» わあぁ!!ありがとうございます!本当にとても嬉しいです!自分、占ツクで小説を書くのが初心者でして、経験が足りないのです。台本書き?というものがあるのですね!勉強になりました!わざわざありがとうございます!頑張ります!笑 (2019年10月22日 20時) (レス) id: fb565d856b (このIDを非表示/違反報告)
ぐみ(プロフ) - いつも読ませてもらってます…好きです‥(唐突)セリフや言葉の選び方がとてもじょうずですね!!ですが台本書きのせいで少し作品の雰囲気が薄くなってしまっている気がします…すいません上から目線で…これからも更新頑張ってください!!! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 46a85766e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ewo | 作成日時:2019年10月13日 11時