有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

39話 着物 ページ41

いくつものベッドが並ぶ共同の部屋に
いるのかと思ったが、

丁重にも、1つの個室でAは寝かされていた。



Aはいつもの格好ではなく、
病衣になっていた。






胡蝶｢.......Aさん、柊の子、だったんですね。



隊服を着ていらしたこと、

着物と冨岡さんの羽織で隠れていて

気づきませんでした。｣







冨岡｢.......あぁ。｣








冨岡は、Aのベッドに腰掛け
ｻﾗﾘ､と白銀の髪をとかす。

が、

やはり、起きる様子はなく
瞳は閉じられている。



すぐ横を見ると、

Aの隊服と、着物がかけられていた。

もう洗われていて、藤の模様が綺麗だった。


が、






胡蝶｢.......どれほどの戦いをしたのでしょうか。

着物だけでなく、隊服までボロボロです。

隊服を切れる鬼.......というのは、
そう簡単に倒すことは出来ない。



まぁ......Aさんが

戦っている最中に、
このような体質になってしまった.......となると





1人の人物しか思い当たりませんが。｣









.......鬼舞辻無惨。

Aと戦ったであろう鬼。





胡蝶の言った通り

Aの来ていたものは爪で切り裂かれ、
ボロボロになってしまっていた。

イヤリングの蝶の羽も、割れてしまっている。



が、リボンは無事のようだ。

このリボンは、
冨岡と鱗滝左近次があげたものだった。


まだ大事にしてくれているらしい。





すると、

胡蝶はボロボロの服を見て

こんなことを言い出した。









胡蝶｢！

そうです！

冨岡さん、









Aさんの【着物】を買ってき.『無理だ。』




.......即答ですか。｣








...急に何を言うのだ。


Aの着物を自分が選ぶ？？？だと


Aは役者だ。



役者の服を選ぶなど、荷が重すぎる。

迷うことなく、即座に却下した。



が、胡蝶も折れない。








胡蝶｢イヤリングの蝶の羽は、
こちらで用意致します。

分担作業ですよ。冨岡さん。


こんなことで渋っていては









Aさんに嫌われてしまいますよ？｣









.......そんな脅しはきかない。









冨岡｢.......たったそれだけの事で、


Aは俺の事を嫌いになんてならない。｣







胡蝶｢わかりませんよ？｣






冨岡｢.......ならない。｣









ならない。

なるはずがない。









胡蝶｢本当に？｣








ならない。



なるはずは.................









.........................。

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