ナミウテココロ《キンプリ短編集》 (ページ5)

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優「最後に……なんのか？」

「でしょうね。お互いの部屋にも気軽に行けないし」

「電話も、こまめな連絡も出来なくなると思うけど。」

そんなの、当たり前。

放課後はどちらかの家で話したり

ゲームしたりと、とても充実していた。

彼氏の家にずかずか入り込んでくる女も

彼氏の幼馴染みだからといってベタベタする女も

空気の読めないような女は、彼女からすると最悪。

そんな悪役になりたくないもん。

最後くらい、カッコよく「幸せに。」って言いたいじゃん。

………………

優「焼けたッ！」

バレンタインデー当日。

優「喜んで貰えるかな。OKしてくれるかな。」

「うるさいなぁ(笑)岸くんを嫌いな人なんて居ないよ。」

「頑張って！」

「堂々として振られるのより、くよくよして逃げる方が恥ずかしいんだから。」

優「おうッ！今日のために、ありがとな。」

「もちろん、幼馴染みじゃん。頑張れよっ！」

……………………

そんな夕方の事だった。

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岸くんが無言で帰ってきたのは。

「き……し、……くん？」

優「なんで、なんで外で待ってんだよ。風邪……ひくだろ。」

そんな岸くんの手には、ぐちゃぐちゃになった、クッキーがあった。

優「はは……やられちった……」

「笑い……事じゃないよ……」

「どこ、どこにいるの。」

優「誰がだよ……？」

「告白した相手はどこの誰！」

岸くんから聞いた人通りの少ない道路。

そこで、必死になって探す人影。

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「おいっ！！」