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｢住む世界が違うって言われたらその通りで
バンド組んで友だちと楽しそうに好きなものに熱中してた彼と
なるべく目立たないように毎日淡々と過ごしてる俺とでは本当に正反対の世界に住んでるような感じ。
だから本来なら京本の世界に俺はきっと存在すらすることもなかったんだろうけど
俺は偶然飛び込んでしまったんだと思う。
あの時の屋上で京本はただ一言だけ言ったんだ。
"なんかほっといたら消えそうだよね"
そう言い残して消えてった。
こんな広いキャンパス内で、しかも京本は滅多に大学に姿を表さない。
だからその出来事以来
暫く会うことはなかった。
なのにまたどこからか脈絡もなく現れたんだよね…俺の目の前に｣
数年ぶりの大雨だとニュースで流れていたあの日
傘をさしていても服が濡れるほどの大雨の日
小走りで家路を目指していた俺の前に、この雨で大きな水溜まりを作った道路に投げ飛ばされた京本が目に飛び込んできた。
あの時、あの綺麗な金髪と横顔で雨の中でも京本だとわかった。
いかにもという高さのヒールを履いた足の長い綺麗な女の人は、傘もささず長い髪を濡らしながら京本に向かって何かを叫んでいた
雨の音でかき消されて何1つとして聞き取れはしなかったけど
その女の人が怒っていることだけはわかった。
道路に投げ飛ばされた京本は立ち上がろうとする様子すらなく、下を向いたまま黙り込んでいる様子だった。
暫くして女の人が立ち去ったあと
俺はどうするべきか悩んだ。
このまま見て見ぬふりをして立ち去るか
それとも…
でもあの屋上以外で話すらしたこともない相手に、手を差し伸べるほどの人間性を俺は持ち合わせていなかった。
｢でも…
でもさ
俺は結局
雨の中倒れ込んだままの京本の目の前に立ってたんだ｣
それは
あの屋上で無条件に助けてくれた
俺の腕を掴んだ京本の手が
俺の動かなかったはずの足を動かして
京本の目の前に立たせたんだ。
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くれよん(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» コメントありがとうございます！毎日更新目標に頑張っていこうと思います！本当にありがとうございます(^^) (2020年5月24日 17時) (
レス) id: 664958a767 (このIDを非表示/違反報告)
腐女子ちゃん - 面白いです！これから関係複雑になっていきそうですね…作者さんのペースでいいので更新頑張ってください！応援しています！ (2020年5月24日 8時) (レス) id: 7a4cdc3ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれよん
| 作成日時：2020年5月24日 0時
