蕩けて、乱れて、甘くなる【激甘】

私にも構って（中編1）―中島敦（ねぎとろ。様リクエスト） by五月雨花火 ページ33

『たっだいまでーーーす』



私はそう言いながら元気よく探偵社のドアを開けて自分のデスクに戻った


そして其の儘淡々と書類整理を始める。



国木田さんが図鑑に載ってない超生物見たときみたいな目で見てるのは気にしないでおこう。うん←



面倒くさいが故にさぼりまくって滅多にやらない書類整理をやるのも、今日だけは楽しく感じた





デスクと向き合って1時間半


特に何も起こらない


だけどここまでは特にミスは無いし、計画は順調だ




なーんて思っていたら不意に誰かが私の肩に触れる感覚がした。




―敦君。




これはビッグチャンスだ！！！



私はここぞとばかりにツンツンした態度をとってやることに決めた





「Aちゃん、この書類って誰のところに持って行ったら…」



『今私も書類片付けてる途中だから他の人をあたってもらってもいいかな』



「そ、そっか！ごめんね邪魔しちゃって」




少々食い気味ではあったが、取り敢えず成功は成功だ。


あれ、でもこれなんかもうツンツンじゃなくて冷たい態度取ってるだけじゃ…？


でも、まぁいいか。



だけどなぁ、なんでだろ。心に罪悪感が残る




向こうが鏡花ちゃんとばっかり居たのに妬いたとはいえ、あんなこと言ったら流石に傷つくかな…。


敦君は私が太宰さんや乱歩さんと居ても何も言わなかったのに、私だけこんなことしてる…。



頭の中を色々な感情が巡りだして苦しくなった。そして遂には涙まで出てきた


敦君に謝りに行かなきゃな。今すぐに行こう。



私は自分のデスクから立ち上がって、敦君が行った後を追った。

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