夏 ページ1
「あぢぃーーーーー」
そう言って、北山くんがYシャツをパタパタさせながらノートで自分を仰ぐ姿がとても好きだ
青い空に白い雲
白いYシャツを着た小麦色の肌
その姿を眺めていると
パッとこっちを向いて
低い鼻にくしゃっとシワを寄せて
んふふ、って笑う
これでキュンとくるのはわたしだけじゃないはず
「安藤って夏っぽくないよな」
北山くんが夏ならわたしは冬
その例えがしっくりくるくらい
自分でも夏が似合わないと思う
黒くて長い髪に不健康そうな青白い肌
夏なのに長袖のYシャツで
ボタンもしっかりとめている
「夏は肌がジリジリするし、苦手なの」
「えー!なんでよ!夏って超いいぜ!?」
「プールでしょ?海でしょ?BBQもいいなーーーーー」
楽しそうに夏について話す姿を見ると夏も悪くないかな、と思う
「そーだ!祭り!花火大会!安藤、花火大会行こうぜ!」
キラキラした目でわたしを見る
「そしたら、ぜってー夏好きになる!!!よし、決まり!」
鼻歌歌いながら次の教科の準備をし出す北山くん
浴衣どうしよう
あれ、最後に浴衣着たのいつだろう
おばあちゃん家に行って着付けてもらわなきゃ
北山くん、わたしもう夏が好きになりそう
わたしが夏を好きになったら北山くんはわたしを好きになってくれるかな?
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作者名:ゆう | 作成日時:2016年11月3日 1時