tokyo2pm36floor：2nd

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川上くんの格好は
黒スキニーに黒のレザージャケット。


中に着てるのはTシャツ？みたいな薄い生地だし、
薄い体に薄い上着で
見ているこっちまでなんだか寒くなりそうな格好だった。




もっともこもこしたやつ着て欲しい。
なんでそんな格好で人のこと待ってたりしたの。




「あ、Aさんの匂いする」

「え！ちょっ！やっぱり返して！」

「え、ヤダ！貸してっ！実は寒かったし！」




ああ、もう！
なんでストールを投げつけたりなんかしたんだろう。


見るからに寒そうな川上くんを心配してなのか、
コーヒーを貰った上に
自宅まで送ってもらっている罪悪感からなのか、


その意図が最早自分でもよく分からない。




「ねえ、Aさん。またゲーセンでも行く？
こないだ楽しかったし」

「あ、でもどうせなら違うところの方がいいかー。
寒いから鍋とか行きます？」

「レジャー施設とかは？
遊園地ー・・・とかは行かないか。
じゃあ水族館とかは好き？」

「俺、映画好きなんで、映画館もいいですね」




次々と言葉を発する川上くんからは、
なぜだかふたりで出掛ける話ばかりが出てきて。


私、そんな約束した覚えないんですけど。笑


て言うか、




「よくそんなに次々と話すことが出てくるね。笑」




バイトに来たばかりの頃は人見知りなのかなんなのか、
仲間内ではよく喋っていたけど
私とはあんまり話さなかったんだよね。




それを思うと、
ほんとによく喋るようになった。




「だってAさんと色んなとこ行きたいもん。
今、言った中でいいなって思うのなんかあった？」

「うーん、今言った中からなら 鍋、かなぁ・・・？」




色んなとこ行きたいって・・・




もう何回も一緒に帰ったりしてるし、
ゲーセンだって行ったし、


この間はバンド練習見ていってよって
連れて行かれたし。




そう考えるとこうやって少しでも会いに来てくれるし、
なんか最近めちゃくちゃ川上くんと一緒にいるような気がする。





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