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「練習終わったからちょっと待ってみようかと思って。
Aさん、まだ仕事してそうだと思ったし」
「・・・帰ってたらどうするつもりだったの」
「このコーヒーが冷たくなったら帰ろうかなって思ってたんだけど、居たからいいじゃん」
そう言って、カイロ代わりにしていたという方の
缶コーヒーをポンと私に渡してきた。
いや、全然良くないよ。
この寒空の下、
どのくらい待つつもりでいたのよ。
でも、そう言ったところで
彼は大して意に介さないんだろう。
自分の思い通りに生きている人だ。
それは会社勤めをしている私からすれば
とても自由に見えるけど、
自身の才能やセンスを求められ、
私より遥かに厳しい人生を自ら選んで歩いている。
そういう意味では自分に一番正直で、
自分の人生に一番誠実なのかもしれない。
「・・・年下なのにね」
「え？なに？今なんか年下ってこと関係あった？」
手渡された缶コーヒーを私もカイロ代わりにして
コートのポケットへ突っ込む。
私が歩き出すと川上くんが後をついてきた。
「もう帰るけど」
「分かってますよ」
そう言って、ひょいっと投げた空き缶が
見事にゴミ箱へ吸い込まれていった。
「あ、缶コーヒー奢ってもらったからって
何も出ないからね？笑」
「そんなつもりじゃないって笑。送るだけですよ」
「・・・いいのに」
「こないだも言ったでしょ。
特にAさんはひとりで帰せないって」
うん、そうだね。
少し前のゲームセンターでそんな事があった。
その後、送る送らないのやり取りが延々と続いて
一歩も引かない川上くんに諦めたんだった。
ここで送らなくてもいいって言っても
あの日のやり取りがまた繰り返されるだけなんだろうなー・・・。
そう思ったらきっと無駄だなって分かって、
黙って自宅方向へ歩き始めた。
「お、Aさん学習能力高いね！」
そう言いながら、
ひょいっと横に並んできた生意気な年下に
首に巻いていたストールを投げつける。
「ぶはっ、なにっ！？」
「寒そうだから！」
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叢雲(プロフ) - 吉野さん» 楽しみにしていただいてありがとうございます。お疲れな彼女を甘やかしてあげる洋平さんでしたー。雰囲気が最高と言っていただけて嬉しいです。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月24日 0時) (
レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 更新楽しみに待っていましたε=ε=(ﾉ≧∇≦)ﾉ洋平さん と主人公さんの雰囲気がとっても最高です(≧∇≦)b続きが益々楽しみになりました( ´艸｀)身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(^_^)ゞ (2022年2月22日 22時) (レス) @page48 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。ドキドキしていただけるかは分かりませんが、続きもお楽しみいただければ幸いです！ (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 瑠々花さん» ご覧いただいてありがとうございます。なんだか不穏な空気が流れてましたね。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。転の展開ですね〜！若さとか勢いとか、どう転がっていくのか…。ドキドキしながら、楽しみに待たせていただきます。 (2022年2月8日 0時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叢雲
| 作成日時：2021年9月22日 23時
