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*





「あの、、川上くん・・・?」

「Aさん、もしかして俺に会えなくて寂しかった?」

「えっ?・・・な、なっ、なんで?
そんなことないよ?」

「なんだ、そうなの?
じゃあ さっきの顔は俺の見間違いかぁ」




さっきっていつ?
朝、会った時のこと?


え、まさか、やっぱり何かに気が付いた?!




そう思ったら気が気じゃなくて、
ただでさえ距離の近さにドキドキしている心臓が
更に早く動き出した。




「今朝 会った時、なんか寂し気に見えたから
一応聞いときたかったんだよね。
俺の勘違いだったみたいだけど」




残念、って言いながら背後で笑う声がする。




なんでそんな時ばっかり。
休憩室で言い寄ってきた時もそうだった。
普段はあんまり周りのこと見てないクセに。




どうしてそんな時に限って、
見て欲しくない時に限って、
人のこと よく見てるの?




「じゃあ離しますよ?
ファイル重たいからしっかり持ってくださいね?
資料、ちゃんと全部揃いました?」

「あ、うん・・・」




そう言って川上くんが手を離した瞬間、
私の手にズシッとファイルの重みが伝わった。




「じゃあ、俺戻ります」




囲まれていた腕から放たれて
離れていく体温。


代わりに人気のない冷えた資料室の空気が
私の体に纏わりつく。




「・・・そんなことない」




帰ろうとする川上くんの袖を
咄嗟に掴んでいた。




「え?」

「勘違いとかじゃなくて、、、
寂しかった、、かも、、」

「・・・ふはっ。かも、なんだ?
Aさんて素直じゃないね。笑」




気が付けば川上くんの口唇が一瞬だけ。


ほんの僅か掠めるように。




頬に触れて、
通り過ぎていった。





*

7:35 p.m.→←+



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叢雲(プロフ) - 吉野さん» 楽しみにしていただいてありがとうございます。お疲れな彼女を甘やかしてあげる洋平さんでしたー。雰囲気が最高と言っていただけて嬉しいです。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月24日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
吉野 - 更新楽しみに待っていましたε=ε=(ノ≧∇≦)ノ洋平さん と主人公さんの雰囲気がとっても最高です(≧∇≦)b続きが益々楽しみになりました( ´艸`)身体に気をつけて毎日を楽しくお過ごし下さいませ(^_^)ゞ (2022年2月22日 22時) (レス) @page48 id: 39e224bf48 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - あゆさん» こちらこそお読みいただいてありがとうございます。ドキドキしていただけるかは分かりませんが、続きもお楽しみいただければ幸いです! (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - 瑠々花さん» ご覧いただいてありがとうございます。なんだか不穏な空気が流れてましたね。続きもお楽しみいただければと思います(^-^) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 7fa6a761c1 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます。転の展開ですね〜!若さとか勢いとか、どう転がっていくのか…。ドキドキしながら、楽しみに待たせていただきます。 (2022年2月8日 0時) (レス) id: b6bdc3d8d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:叢雲 | 作成日時:2021年9月22日 23時

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