友達/ナイト・トリッカー ページ6
「チョコレートクッキーだったよね!!」
「あぁ。」
「はい、どーぞ!!」
チョコレートは確か、犬が食べちゃいけないものの一つだっけ。ま、今は人間だもんね。
そんなことを考えながら1つ差し出す。
「これは…美味しい!!」
「でしょでしょ!!」
私はれっきとした不思議の国の住人だ。
人と喋ることが一番楽しい、という国の住人なので人と話すと一気に性格が豹変する。
「チョコレートのお菓子、他にも食べてみる??」
「…!!良いのかい??」
「もっちろん!!ただ、場所を変えてもいいかな??」
「場所を、変える??」
指を鳴らし、不思議の国への扉を開く。
先輩とは違って変なところから出たり入ったりはしない。ましてや帽子の中だなんて。
「不思議の国へ、ごあんなーい!!」
扉の中にドーベルちゃんを招き入れ、机と椅子、そしてお菓子を魔法で出す。
「これは…??」
「これが、本物のチョコレート。これを加工して、プリンとか、そういうものにするの。」
チョコレートそのものを食べてみてほしくて出してはみたものの、食べても大丈夫なのだろうか。
「食べてみる??」
「…あぁ。」
パキリ、といい音を立ててチョコレートを恐る恐る口に入れるドーベルちゃん。いざというときにかけるための回復魔法は用意済みだ。
「…。」
「ドーベルちゃん?!」
「…これは…美味しいな…!!」
「良かったぁ〜!!」
人間の姿のときは大丈夫らしい。これはなかなかな発見だ。
「もっと、チョコレートのお菓子を食べてもいいかい??」
「もちろん!!これはプリンで、これはケーキ、これはマドレーヌで…」
ドーベルちゃんは用意したお菓子を笑顔で全部食べてくれた。
気に入ってもらえて良かった…。
「ドーベルちゃん、お散歩に行かない??」
「あ、でもリードが…。」
「リードはいらないよ!一緒に歩くんだ。」
不思議の国はきっと初めてだろう。
他にもおしゃべりなお花、消える猫のチェシャ猫にも会わせてあげよう。
「いろんな虫や、いろんな花があるけど、決して触っちゃだめだよ。」
「あぁ。分かった。」
しばらく不思議の国を散歩して、堪能してから私達は別れた。
また遊ぼう、という約束をして。
さて、今度は彼女のためにどんなお菓子を作ってあげよう。
どんな道をお散歩しよう。
「先輩に友達ができたって報告しなくちゃ。」
そう呟いて談話室を出た。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チェシャ(プロフ) - 更新致しました!! (2020年6月11日 0時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新させて頂きます!! (2020年6月10日 23時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致しました! (2020年5月31日 20時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 更新致します! (2020年5月31日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ(プロフ) - 更新しました! (2020年5月28日 3時) (レス) id: 1182daeffd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ