カテキョの誘惑 ―green―

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母「おかえり〜！どうだった？‥‥あらっ、丸山くんもいらっしゃい。」









あたしが丸ちゃんとともに家に帰ると、

そわそわしているお母さん。









「合格してたよ♪」









母「えー！ほんとにー！？おめでとう♪ついにAも大学生になれるのね〜♪」









お母さんは、丸ちゃんに、









母「さっきクッキー焼いた所だから、良かったら上がって行って？」









と声を掛けて、

鼻歌を歌いながら、キッチンへ消えて行った。









『おじゃましまーす。』









丸ちゃんと一緒に部屋に入ると、

すぐにクッキーと紅茶を持ってきてくれた母。








母「ごゆっくり〜。」









『ありがとうございます〜♪』









お母さんが部屋を離れて行ったのを見計らって

丸ちゃんが口を開いた。









『Aちゃん、さっき、家庭教師の先生探してたん？』









「‥‥え？」









『合格発表見たあと、キョロキョロしてたやろ？』









「‥‥‥、」









‥‥探してた。

大倉先生に報告したかった。









顔が見たかった。








声が聞きたかった。








‥‥先生に、もう一度会いたかった。









「うん‥‥、探してた。」









『‥‥‥、』









「‥‥でも、会えたらいいなぁって、ちょっと思っただけだよ？」









『‥‥そっか。』









あたしが無理やり笑うと、

丸ちゃんも困ったような顔で笑ってくれた。









『‥‥大学生なっても、僕らこうやって会えるかなぁ？』









「うん、会えるよ‥‥、会おうよ。」









『‥‥Aちゃん。』









「絶対、会おう？」









『Aちゃん‥‥ありがとう！』









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こうして、

あたし達は、高校を卒業した。









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