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「…っ先生」
振り向いた時に居たのは、あの時と変わらず知的に微笑む先生だった
胸が、痛い
手先に緊張が走ってマリオネットのように上から糸を張られたように身体が自分の意思とは反して動かなくなる
「久しぶり、予備校帰りかい？」
「…そうです」
「今人身事故で止まってるよ、電車。」
そう言われて周りを見渡せば確かに人でごった返していて、かなりの混雑していた
ポケットの中で震えた携帯を見れば母からのライン
母:電車止まってるらしいけど大丈夫？ 母さん残業だから迎えに行けないけど帰れそう？
財布の中は…たしか1000円程度しか入れてなかった、行きに参考書買ったから。
つまりはタクシーで帰ることも難しかった
「あらら、母さん迎えにこれないのか」
声が頭から降り注いできてびっくりする
携帯から顔を上げるとさっきまで遠くにいたはずの先生は私の目の前に立っていて携帯を一緒に覗き込んでいた
声を出すにも私の体は硬直していて、情けないがコクコクと頷くことしかできなかった
近い、先生が
胸の音が体全体に響いて頭もズキズキする、顔が一気に赤くなるのが自分自身ですぐにわかった
「俺の家、近いから寄って行きなよ」
「え…先生？ 」
あ、声出た
いやいや私が今気にしなきゃいけないのはそこではない
「困ってるんだから、ね？ 」
先生は私の返事も待つ間も無く、すぐに北の方向へと歩き始めた
いきなりの出来事に頭の回転が追いつかずただ呆然と立ち尽くす私
「ほら、行こうって」
少し先に歩いて行った先生が振り返りながら私にそう落とす
知っている、危ない罠なのは
知っているんです
このままついていかなければもしかしたら私は貴方を忘れられたかもしれないのに
このままついていってしまったら、私はきっとまた先生から抜け出せないことにも。
わかってはいるのに足は心と反比例して先生の後ろを歩き出す
夏の終わりのまだ生ぬるい風が私たちに吹き抜ける
その風にのって前から香る香り。
そう、先生は皮肉にもあの告白した日と同じバニラの香りがした
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夜宵(プロフ) - 初めまして 更新の通知がきて飛んできてしまいました、、！ ずっと続きが気になっていて お気に入り登録しておいて良かったなぁの気持ちです 作者様のペースで更新して頂ければと思います 次回の更新、のんびりと待っています (2020年8月17日 22時) (
レス) id: af02700ee8 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 今日、この作品に出会いました。とてつもなく惹かれる作品で、一瞬で虜になりました。もし、どうにかなるのならば、ぜひ完結まで読みたいです！お時間があればで大丈夫なので、よろしくお願いします！！！ (2020年5月11日 16時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
むーん(プロフ) - 更新停止と書いてあったので少し心配だったんですが、完結させると作者様がおっしゃっていてとても安心しました。読み始めたのはつい最近ですが、すっかりこのお話の虜になってしまいました。お忙しいとは思いますがどうかお体に気をつけてください。応援してます！ (2018年10月7日 15時) (レス) id: b5d357e611 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - oss.2さん» 完結してくださると言っていただけただけでめちゃくちゃ嬉しいです(*´∀｀*)首を長くして長く待機しております！！ (2018年5月5日 18時) (レス) id: 79b287e614 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新お疲れ様です！待ってました〜〜( ；∀；) 大好きな作品です(*^^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: 21eed20a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：oss_2 | 作成日時：2017年10月28日 21時
