【ルパパト】ちらしの裏(4)

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『ギャングラーのボスを捕らえた。公式発表では倒したということになるだろうが。ノエルは無事だ』

兄さんからメッセージが入っていた。はあと息を吐く。続けて、話をしたい、とメッセージが入った。すぐ行く、と返事を返した。
まずは、快盗について、正体を知っていたのか、と聞かれた。知っていたと答えた。なぜ、話さなかったのか。命を助けてくれた。その恩を返すために黙っていた。快盗に協力していたのか、と。していた。兄さんは何か言いたげだったが、何も言わなかった。
兄さん達から情報を開示してくれた。怪盗達が行方不明になった。ギャングラーのボスとの戦いの間に、いつの間にか姿を消したらしい。兄さん達からそういう話を聞いたけど、兄さんの表情とか、話してくれたのは兄さんじゃなくてつかささんだとか、つかささんの話し方とか、まあ、雰囲気とか、そういうものから、その話には嘘が含まれていることを察した。そこを深く聞いてはいけない、暴いてはいけないことだと早々に悟り、私はそれを受け入れた。
もう一つ、兄さんたちから聞いたことは、ノエルさんがフランス本部に戻ってしまったらしい。碌に兄さん達にも挨拶をせず、私に連絡も無く。フランスに戻ってしまったノエルさんとは兄さんも連絡が取れず、フランス本部からも情報がない。全く連絡がつかないというわけではないようだが、ノエルさんの行方が分からない。そう、と私は答えることしかできなかった。謝る兄さんに、首を振るしかできなかった。









と、いうのも、私も兄さんに未だ黙っていることがある。玄関を開ける。

「こんばんは、Aちゃん」
「bonsoir、ノエルさん」

ノエルさんと、連絡取ってるし、会ってるし、合鍵を渡してしまったので家に帰ってくるといるし。フランスに戻ったのは間違いないらしいが、彼にはエックストレインがあるので、日本に来るのも短時間で来ることができる。そのため二週間に一度くらいの頻度で会っている。日本とフランスの遠距離恋愛ではある、けど、会っている頻度はかなり頻繁だ。むしろ、前よりも会っているような。夕飯前にやってきて、夕飯を食べて帰る、というのがいつもの流れだ。そして今日も同じく。ご飯を食べて2人並んで食器を片付ける。ノエルさんが食器を洗って私がふいていく。

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