34-2 ページ38
後日、国際警察に出向く。国際警察の人間ではないのにこんなに来る頻度が多いのはいいのだろうか。ジムのデスクを借りる。
「Aさんに見て欲しい映像はこちらです。この映像から、圭一郎さん達が戦ったギャングラーを見つけ出して欲しいです。戦闘の時の音源がありますのでまずはそちらを聞いてください」
ヘッドホンを渡され、耳に当てる。流れてきたのは兄さん達が戦っている時の音声。はぁ、と息を吐いた。兄さんたちはいつも危険な目にあって…。
『国際警察の権限において、実力を行使する!!!』
突然響いた大音声にヘッドホンを投げるように外した。
「うるっせぇ!」
「どどどうしました、Aさん!」
「兄さんの声がうるさい!ただひたすらにうるさい!」
「圭一郎さんのスーツから取った音声データだからですかね?」
「なんで兄さんのから取った!つかささんの方が多分いいのに!」
そのつかささんが近くにやってきて、私の口に何か押し込んだ。
「どうどう」
「んぐ……おまんじゅう、美味しいです」
「そうか、それは良かった」
「圭一郎先輩と同じ方法でおとなしくなるんですね。いやー、やっぱ兄妹なんだなぁ」
咲也さんがうんうんと頷いている。なんだろう、なんか不満。
「ちょっといじりますね。兄さんの声の周波数だけ音量小さくするようプログラムします」
「そういうことすぐ出来るのすごいなぁ」
「慣れじゃないですかね」
誰でもできることですよ、とまで謙遜するつもりはないが、これは知識と経験と慣れがあればできることではある。プログラムを組み上げてまたヘッドホンをする。これでまともに聞ける。音声データを聞いたあといくつかの動画を見た。ギャングラーが化けていると思われる人間が映ってるらしい。ふーん…あ。
「ジム、この人」
動画を再生したまま画面に映った人間を示す。ジムが画面を覗き込む。
「この人がギャングラーですか?」
「自信は八割くらい。確信できるようなものはないけど…」
「裏付けは私の方でとります、ありがとうございます」
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りいか - クッソ好きだ…………!なんだこのドストライクゾーン!!これからも執筆頑張ってくださいっ! (2021年8月7日 2時) (レス) id: 6698df4412 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月4日 22時) (レス) id: d1b5e30223 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わたる | 作成日時:2018年11月4日 22時