Happy birthday! ページ8
轟 side
「...あ、あのね、焦凍君...」
モジモジと顔を赤くして目をそらすA。
寮生活で家よりむしろ会う機会がなくなって、寂しいと感じ始めていたこの頃。
いつも俺を見るたびにビクビクして怯えているアイツに呼び出された。
彼女から話しかけられることすら数えるほどしかないのに、何かあったのだろうか...
そんな心配をよそに来て見たらこの状態。
...え、これってどういう...?
こんなAの顔、見たことない。
正直かなり可愛い。
いや、本当に。冗談抜きで可愛すぎる。
思わず凝視する俺に気づいてないらしく、彼女は言いにくそうに言葉を続けた。
「今日は...その...言わなきゃいけない事があって...」
それだけ言うと、また恥ずかしそうに口を閉じるA。
そしてこの時、俺はこういう状況に立ち会ったことがある事に気づいた。
中学時代、特に話したこともない女子から呼び出された時と同じだ。
その女子の様子とコイツの表情が重なる。
そして、その女子に言われた言葉を思い出して、顔にブワッと熱が集まった。
...もちろん、それはその女子を思い出したからでなく、そのセリフを目の前の彼女が言うところを想像したからで。
そのセリフは俺が言おうと思っても今まで言えなかったもので。
...え、本当に?彼女の口から、その言葉を....?
もちろんすごく聞きたいし、言われた瞬間に抱き締めて即座にOKすると思う。
...でも、それって普通は俺から言うものじゃ...
そう思ってる間に、覚悟を決めたのだろう。
Aが真っ直ぐに俺を見つめてきた。
頰を染め、目が光を反射してキラキラと輝いてる。
...綺麗。
ボーッとする頭の中で、その言葉がグルグルと回った。
「えっと!」
思い切り、俺の前に小さい包みを突き出す彼女。
それにハッと意識を取り戻した。
まさかそれ、本当にラブレっ⁈
「ま、待て!それは俺から!」
「た、誕生日、おめでとうございます‼」
...は。
「...誕生日?」
「え?ち、違った?お姉さんから今日だって聞いてて...」
『ま、間違えた...?』と、今度は青くなるA。
「いや...今日だけど...」
「!そ、そうだよね...良かった。」
そう言ってニコリと笑う彼女。
それを見て、脱力感やら勘違いしていたことへの恥ずかしさがどうでもよくなった。
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セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです!更新大変だとは思いますが頑張ってください!応援してます! (2018年8月17日 14時) (レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました!!本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです!続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください! (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kuumi | 作成日時:2018年1月2日 22時