40話なんて。 ページ44
轟side
「...大丈夫か...?」
呆然と俺を見るAにそう声をかけた。
それでも固まる彼女を見て不思議に思っていると、気づく。
...Aとの距離が近すぎることに。
下手したら鼻先がくっつきそうな程の距離。
しかもAの腰に手を回したまま。
これには流石に焦り、バッと手を離して距離をとる。
...そして、俺の悪いクセが出ちまった。
「...床、そんなもんぶちまけたら痛むだろ。鍋だって凹むし。人ん家のもん傷つけんな。考えて行動しろ。」
そこまで言って、ギリッと歯を食いしばった。
だから俺はこんなこと言いてぇわけじゃ...!
というか、本当にAは怪我なんてしてねぇだろうな?
...俺みたいに、一生残る傷なんて作って欲しくねえ。
...火傷がどれ程イテェのか、どのくらい痛みが続くのかはよく知ってるからな...
そう思って、彼女を見た。
...ん?
「...えっ...」
てっきりAは固まったままか、俺の言葉に傷ついて泣きそうになってるかと思った。
...でも、
「〜〜〜っ/////」
そこには頰を赤らめ、俺から視線を逸らし、目を潤ませて自分自身を抱きしめるAの姿。
...まさか
「...お前顔赤いけど、また風邪ひいたんじゃねぇだろうな?」
熱のせいで作業に集中できなかったのか...?
そう思い、Aの額に手をのせた。
すると、ビクッと彼女の体が跳ねて、キラキラと輝く翠色の瞳がそっと俺を見つめる。
...その時のAの赤く染まった頰や表情が可愛いとか、
潤んだ瞳が綺麗だなんて思ってしまった。
こんな時に抱きしめたい衝動に駆られる俺は、心底最低だと自己嫌悪する。
その直後。
「?!...だっ、大丈夫!」
バッと俺から離れ、必死に目を逸らそうとするA。
「あのっありがとう、助けてくれて!焦凍君は助けたつもりないかもしれないけど、嬉しかったし、とにかくありがとう!い、今すぐここ片付けるから、雑巾取ってくるね!」
そうまくし立てると、そのまま早足で行ってしまった。
...その反応
「...俺、更に嫌われるようなことしたのか...?」
思い当たる節が多すぎて頭を抱えた。
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セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです!更新大変だとは思いますが頑張ってください!応援してます! (2018年8月17日 14時) (レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました!!本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです!続編おめでとうございます!!これからも頑張ってください! (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kuumi | 作成日時:2018年1月2日 22時