36話なんて。 ページ39
Aside
百ちゃんが褒めてくれたその絵。
思い出した。あの絵を描くためにこのスケッチブックを買ったんだ。
そ、そんなスケブを私はずっとカバンに入れてたのか...
常にあの絵と共に行動してたと思うとなんだか恥ずかしい。
雪景色の中に咲く赤いバラ。
これは、彼を始めて見た日に何時間もかけて完成させたものだった。
あのお見合いの日、あのエンデヴァーの息子さんだと聞いて、
私は失礼なことに随分と厳つい人を想像して部屋に入った。
すると、どうだろう。
エンデヴァー...もとい轟 炎司さんの隣にいたのは、紛う事なき美少年だった。
紅白色の髪の毛にオッドアイの瞳、整った顔立ちに大人っぽい雰囲気。
...カッコいいっていうか、綺麗な人だなって思った。
彼は、私には綺麗過ぎて、しばらく目線を逸らしていたくらいだ。
そんな彼に言われた言葉は、私に深く突き刺さった。
『人を利用してる』...まさしくその通りだったから。
でも、その時の私はまだお母さんが亡くなった事実を受け止めてなくて、
つい、彼の同情を買うような事を言ってしまったのを覚えてる。
...わかってる。
これは私たち家族の問題であって、轟さんには関係ない。
だからって、なんでこんな風に言われなきゃいけないんだろう？
私だって好きでこの場にいるわけじゃないのに。
そう思ってた。
...でも、焦凍君が私に問いかけた時、
その瞳はどこか優しくて、悲しい色をしていた。
それを見て気づく。
...あぁ、この人は繊細な人なんだ。
優しくて、傷つきやすくて、それでいて不器用で。
...私は、そんな人に無理を言ってるのか。
途端に、自分の言った言葉に後悔する。
そして、焦凍君が炎司さんに怒鳴った時に思った。
...彼の赤色は炎司さんと違う。
彼の赤は美しくて繊細で、それでいて力強く咲き誇る真紅のバラの色だと。
そして彼が、私は都合が良いと言った時、
焦凍君の目には、悲しさが色濃く映ってることに気づき、
彼の白色は清純で静かな雪のようだと感じて、あの情景が頭に浮かんだ。
...こんな美しい景色のような彼を、私で縛り付けている。
その罪悪感で押しつぶされそうになったけど、
その日、私は気づけば一心に鉛筆を動かしていた。
こういう定番の話書いてみてぇっていう話です。→←35話なんて。
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セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです！更新大変だとは思いますが頑張ってください！応援してます！ (2018年8月17日 14時) (
レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました！！本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです！続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください！ (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuumi
| 作成日時：2018年1月2日 22時
