16話なんて。 ページ19
轟side
あれから数週間....
「Aと全く会話してねぇ....」
いや、むしろ学校以外で会ってすらいねぇ。
朝は俺より早く家を出るし、帰るのも俺より早い。
その上、家に帰ってからも部屋から出てこない。
「それは....相当避けられてますわね....」
この話を聞いた八百万の言葉が痛いくらい刺さる。
確かに、前までは俺がキツく当たってもその後は普通にしていたし、普通に顔を合わせた。
....やっぱり、かなり怒ってるんだろうか......
「八百万...俺はどうしたらいいと思う.....？」
いつも通り、相談相手である八百万に問いかけると、その答えはシンプルなもので。
「...前にも言いましたが、やはり素直に謝るしかありませんわ。
もう、暴言を吐いてしまうなんて事言ってられませんもの。
....Aさんに嫌われたくないのでしょう？」
「...あぁ、もちろん。」
...罵声を浴びせるわりに、嫌われたらどうにかなってしまいそうな自分に嫌気がさす。
それでも、俺の言葉は愛情と反比例して出てしまうものだ。
そう、思っていたのだけど...
『それと...』と、その後告げられた話に、俺は心臓が止まったように錯覚した。
「...Aさん、前に轟さんに言われた通り、
後ろの戸から静かに入って来るようになりました。
それはつまり、貴方を嫌うという概念すらないということなのでは？
あと、最近の様子を見ると、目の下のクマが目立つようになっています。
睡眠を思うように取れないのは、過度なストレスや不安が原因なことが多いのです。
...『嫌われているかもしれない』
そう思っているのは、Aさんの方なのではないでしょうか。」
いつになく真剣な八百万の目。
...思えばそうだ。
Aは、俺と話さなくなってからも俺が言ったことを守ってる。
俺が嫌いになったのなら、そんなもの破ってしまえばいいものを。
それに、アイツが戦闘訓練の時も、授業の時も体調が優れてないのは俺もわかっていた。
もしそれが、ストレスや精神的な問題での睡眠不足だとしたら、明らかに俺のせいだろう。
.....俺からの謝罪が、アイツを安心させる事ができる唯一の手段なら
「.....八百万。」
「はい。」
「.......今日こそちゃんと、アイツに伝わるように、言葉にする。」
「........はい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです！更新大変だとは思いますが頑張ってください！応援してます！ (2018年8月17日 14時) (
レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました！！本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです！続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください！ (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kuumi
| 作成日時：2018年1月2日 22時
