13話なんて。 ページ16
緑谷side
確かに、轟君は謝ろうとした。
いつもあまり表情に出さない彼が珍しく反省の色を見せて、口を開きかけた。
...ただ、それより神崎さんの方が行動に出たのが早かっただけで。
彼女は恐る恐る顔を上げ、轟君の目を見つめると、
「....やっぱり....怒ってる...よね.......？」
そう、一言。
今にも涙が溢れそうなほど濡れた瞳での、無意識なのか上目遣いで。
これまた無意識なのか小首を傾げて。
不安そうな表情でのそのセリフ。
僕らは知っていた。
.....彼女のこの表情に、轟君がものすっごく弱い事を。
「？！......っ.......///////////」
ブワァっと顔を赤くした轟君は、すぐさま神崎さんに背を向け、口元を押さえる。
.....この行動は、ひたすら口パクで『可愛い』を連呼してるのを彼女に見えないようにするためだというのも、僕らA組は知ってる。
そして、急に怒っている(ように思ってる)相手から顔を背けられて、ますます不安が募ったんだと思う。
「....ごめん.....焦凍くん....私なんか許せない...よね.....」
彼女のこの、弱々しい声、そして表情。
それをチラリと見た轟君。
今度は拳を強く握りしめてうつむき始めた。
.....彼曰く、『うっかり抱きしめてしまわない為の対策』なんだそうだ。
そして、そろそろ限界なんだろう。
にやけないよう顔を強張らせた轟君は、神崎さんに向かい合い、
「......お前を許すなんて概念、俺にはねぇよ。
さっきも、なんでわざわざ前の扉から入ってくるんだ？
お前を視界に入れたくない俺への嫌がらせか？
今度からは後ろからそっと入って来い。話はそれだけだ。」
そう、一気にまくしたてて、自分の席に向かっていった。
.....いや、
((((何やってんだよ轟［君］！！！))))
クラスが心の中で通じ合った瞬間だった。
そして、彼も自分がしたことの重大さに今更気づいたようで。
ハッと、赤かった顔を今度は真っ青にして彼女を見たけど、もう遅い。
神崎さんは俯いていて、泣くのを必死に我慢している真っ最中。
そんな彼女を心配して、周りに女子が集まり、励ます中、
一部の女子に睨まれる轟君は、頭を抱えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです！更新大変だとは思いますが頑張ってください！応援してます！ (2018年8月17日 14時) (
レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました！！本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです！続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください！ (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kuumi
| 作成日時：2018年1月2日 22時
