story64 どす黒い感情 ページ22
陽毬side
星なしといるナルを思い出すたびに僕の中に黒い靄のようなもの渦巻いていく気がした。思えば学園に来たばかりの僕はナルに依存していた。彼も僕のことを特別気に掛けてくれた。
分かってる、ナルは僕だけのものじゃない。ただ誰にでも優しいだけ。分かってる。
でも心のどこかで自分は特別だと過信していた。皆が良からぬ噂や危険能力系の生徒だということで僕を避ける中、ナルは僕に優しかったから。変わらず笑いかけてくれたから。
だけど星なしが来て彼女にかかりっきりになった。星なしにナルを盗られた気になった。
それもよく考えたら当たり前じゃないか。
誰だって黒く淀んだ空よりも眩しい太陽が輝く空を好むに決まってる。心も手も汚れた僕なんかより、汚れを知らない純粋無垢な心を持った人の方が、星なしの方が大事に決まってる。
「……僕に構うより、もっとすることあるでしょ。星なしの件、忙しいんじゃないの？」
口が勝手に開いていた。違う、本当はこんな事言いたくないのに。
「今だって面倒臭いって思ってるんでしょ？ 担任だからってこんな夜遅くまで大変だね。」
どす黒い感情が心を支配して、溢れる言葉を止めることができない。
「っ、ちが！陽毬ちゃん、僕は本当に、」
「もういいよ、早く出てって。」
弁解しようとするナルの言葉を途中で遮る。辛そうな顔を真っ直ぐ見れなくて目を固く瞑った。
ナルはしばらく黙ってそこにいたけれど、やがて部屋から出て行った。去り際に一言ごめんねと言い残してから。
来客が去った部屋は静寂に包まれていた。ナルの顔を思い出すと胸が苦しい。どうしてあんなことを言ってしまったんだろうと後悔してももう遅い。謝る相手はそこにいないのだから。
「棗は……よかった、よく寝てる。」
思ったより大きな声を出してしまったので棗を起こさなかったか心配だったが、ぐっすり眠っているようだ。先ほどまで苦しそうだった寝顔も今は落ち着いてる。
まだまだ夜は明けそうにない。ナルとのことで心に
＊
僕が次に目を覚ましたのは流架が病室にお見舞いにきてくれたときだった。棗と一通り話し終え病室を出ようとする音で意識が覚醒した。
流架は僕を起こしたことを気にかけていたが、嬉しかったから呼び止めてしばらく話をした。誰かと話すことでもやもやを吹き飛ばしたかったんだ。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
