story54 溢れる涙 ページ12
陽毬side
たっぷりの間を開けて星なしが話したのは内に秘めていた疑問。何故、彼女の手紙は届けられず燃やされるのか。何故、彼女は学園から目を付けられているのか。
星なしからすればそれは当然の疑問。彼女は何も悪くないのだから。同じ日にちに入学してきた別のアリスが今日まで彼女と全く同じ行動をしてきたとしても、その子なら絶対に星なしと同じ状況にならない。
「ごめんね蜜柑ちゃん。今は何も答えることはできないんだ。」
問いかけられたナルは一瞬神妙な顔をし、すぐに眉を下げた。彼も一応アリス学園の教師だ。一生徒である星なしに学園の内情全てを話すことなどできないだろう。
「おじいさんに会わせてあげられなくて、ごめんね。」
ナルが不安そうな星なしの頭を撫でると、星なしの瞳からは大粒の涙が次から次へと流れ出した。
とめどなく涙を溢れさせる彼女の頭を優しく撫で続けながら、ナルは次々言葉をかけていく。自分は生徒たちの味方だと、学園を変えるために動いていると、そして自分を、人を信じる心を忘れないでほしいと。
星なしはしばらく泣き続けていたが、やがて落ち着いてベッドに潜った。しかし星なしが１人になることを嫌がったため、僕も彼女と同じ部屋で寝ることになってしまった。
「ねぇ、陽毬ちゃん。今日はほんまにありがとな。怪我させてごめんな。」
「この程度の傷、明日になれば治るんだから気にしないで。」
不安がる星なしの話に目を瞑りながら相槌をうつ。今日ぐらいは彼女が寝るまで付き合ってあげてもいいか。
３０分は話し続けたところで、星なしは先生のところへ行こ、と言って僕を引っ張った。この歳になってナルと一緒に寝るとか恥ずかしかったから、全力で拒否したけれど泣きそうな星なしの顔を見たら断るに断れなくて、結局ナルの部屋に行った。ナルを両側から挟むように一緒のベッドに入る。
星なしが寝付くまで話を聞いた。しばらくして星なしが寝息を立て始めた頃、小声でナルが話しかけてきた。
散歩していたと言ったが本当は任務だったんでしょとか、あれほど無茶はしないでって言ったのにとか、いろいろ。
答えられそうな質問には素直に答えて、無理そうなものは適当に誤魔化す。
「陽毬ちゃん。蜜柑ちゃんを守る理由は何？君があの２人以外を気にかけるなんて珍しいよね。」
そろそろ質問攻めを止めてもらおうとしたら、ついに答えに詰まる問いが来た。茶化せないか考えたが、ナルは真剣な顔をしていた。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
