四十六粒。 ページ7
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「あの駅？」
「うん」
懐かしい実家の最寄り駅まで車で来た。
この辺で適当に駐車して、
記憶を頼りに歩いて向かう予定だ。
“会いに行かない？”
そう聞かれた時から
少し時が経ってしまったのは、
結論を出すのに時間を要したから。
風磨はゆっくりでいいと言ってくれたけど、
言われた日からずっとそのことばかり
頭を駆け巡っていた。
そんな私を見かねて、
取り敢えず家に行ってみようよと
提案してくれて。
だから今日は会うつもりはない。
ただ家の前まで行ってみるだけ。
「駅からどれくらいだったか覚えてる？」
「歩いて十分以内だった、と思う。
...なんかすごい思い出してきた」
一度も帰ってないとはいえ、
数年で街はそこまで変わっていなかった。
「あそこの本屋、よく行ってた」
「そうなんだ。どういうの見てたの？」
「料理の本とか、
立ち読みしてレシピ覚えて帰って
作ったりとか。
美容系の雑誌見て
流行りのヘアアレンジとかメイク見て
次の日試したりとか。
...お金ないから
絶対買わないんだけどね。ふふ」
笑顔を見せたことにほっとしたのか、風磨も
「Aは昔から可愛いね」
なんて優しく言う。
全然可愛いエピソードじゃないのに...
っていうかそれよりも
そんな愛おしむような目をしたら
目立っちゃうしバレる。
変装はしているけど、
いつバレて何に撮られるのか
わからないんだから。
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ひなの_FmKn - このお話すごく大好きです...！応援してます！ (2019年3月31日 16時) (
レス) id: c768473685 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - お話読ませてもらいました！とってもいいお話で泣いてしまいました！続きも気になるので更新してほしいです！ (2019年3月24日 14時) (レス) id: e1ff624753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUi
| 作成日時：2019年2月12日 14時
