私と彼のアカデミア【相澤消太】 (ページ10)

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5：弟からの連絡【貴女】ページ10

あれから教師の仕事にも慣れてきて、受け持ちの生徒だけでなく他のクラスの子達とも良き関係を築けてきていた。

事務仕事が残っている為空き時間の今職員室で作業をしていると
マナーモードにし忘れたプライベート用の携帯が音を立てる。

「あ、すみません」

結構な音量で着信音が鳴り響いてしまい慌てて着信相手を確認する。

＿＿勝己＿＿

ディスプレイにはその文字

メッセージのやり取りはするが、電話をかけてくるのはかなり珍しいので、何かあったのかと思いその場で電話に応える。

勝己「あ、出た」

何だ出たとは。
出ないと思っていたのか久々の勝己の声は何処か遠くに聞こえた。

幾分か最後の記憶より低くなった声に
成長期だもんなぁとしみじみしている

「どうしたの？勝己が電話なんて珍しくない？」

勝己という名に反応したのか隣に座り作業をしていた彼が此方を向く。

勝己「んにゃ、別に大した用じゃねぇけど次いつ帰ってくんだ？」

そういえば、最後に実家へ帰ったのはいつだっただろうか？
教員免許を取得する少し前だった筈…

と言っても、勝己は友達と遊びに行ってて居なかったから
ちゃんと対面して会ったのはもう2年ほど前の、まだ実家に住んでいた時だ。

「近々帰ろうかな、何？寂しくなっちゃった？」
勝己「んな訳あるか！ババアが飯でも食いに来いって」

相変わらず何処の誰に似たんだか…お口が悪い

「あー、母さんの四川麻婆が食べたい。近状報告も最近出来てないし」

プライベート用の携帯は家族や消太さん、の他に同期のバーニンや先輩のミルコさんと良く連絡を取るが
最近は多忙な日々に加え、1番連絡を取っていた消太さんとは同棲している上に職場も同じなので携帯より直接用があれば話すようになった。
こっちの携帯解約時かもしれない…

勝己には彼氏の事、仕事の事は話していない。
と言うか、話せていない。なんせ時間が合わないのだ。
実家暮らしの時は朝会えて夜も会えたらラッキーの確率だったし家を出た今は全く会えてない。

そもそも帰ったのもその教員免許前の一回だけで、そりゃあ、向こうからお声が掛かる訳だ。

勝己「あ、俺雄英受ける」

あ、うん、だろうね。

「勝己ももう高校生かぁ…より忙しくなるから早めに会おうか」

何日か予定を組み電話を切ろうとした

勝己「あ、姉ちゃん今日は」

？の存在知ってるかしら威圧感半端ないのよ貴方

「良いよ、迎え行く」