○月×日 晴 ページ6
渡す。
今日は、何があっても、つつがなく滞りなく間違いなく迅速にッ渡す！
こういう状況になったからと言って、いつでも渡せるしーなんて高をくくってちゃきっと駄目だ。
思い知ってる。俺の場合、このままずるずるといってしまいかねない。
そしてまた、機会を逸して…なんてことになったら。
いつもの朝、いつもの通りで、ソイラテとレタスサンドイッチ入りのいつものコンビニ袋と鞄を提げて、いつもの方向とは逆を向いて確固たる決意で立つ。
そのまま耳から入る英語に集中したり出来なかったり、何度も直したネクタイの位置を更に直してみたりしていたら、やがて道の先から通行人を合間を縫ってカラフルなウェア姿がかろやかに走って来るのが見えたのでイヤフォンを外した。
遠くの彼は俺を認めると驚いたらしく一瞬ピョコッと跳ねてフォームを乱し、
振ってくれるつもりで上げていただろうクリーム色のもこもこの手をふらふら〜と下げ、
近付くにつれ段々足取りがゆっくりになり、
数メートル先で歩き出して、
遂に数歩手前で立ち止まり、
両手を頭の上に持っていって髪の毛をぽふぽふ押さえつけ、
弾んだ息を整えつつ「…おはよぉ…ございま…、…え？」と引きつった下手くそな笑顔で恐る恐る挨拶してくる。
明らかに、訝しんでいる。
…そりゃあ不気味だろう。歩道の電信柱の脇で仁王立ちのサラリーマンが自分をじっと待ち構えていたら。
少し恥ずかしくなってコホンと咳払いし、でも今くじけたら以前と同じコースまっしぐらだとズイッとコートのポケットに手を差し入れる。
そして「お早うございます。ところで」と、あれこれぐずぐずここで眠り続けていた小さな固まりを掴んで引き抜いた。
いきなり俺が突き出した手に「えっ？なになになになに」と反射的に彼の腕が伸びて両手の平でもこもこのお椀を作る。
その上に、やっと、やっとあるべき場所で日の目を見る、少し角が潰れてくたびれてしまった地域限定抹茶キャンディの箱をぽんと乗せ、
「良かったら食べて遅くなったけどお土産です出張の」
一息で言った。
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なな**(プロフ) - こちらの2人が大好き過ぎて、何回読み返したことか〜(；A；)続き、ずっと待ってます！！ (2020年7月3日 15時) (
レス) id: 0c09726ffb (このIDを非表示/違反報告)
asami(プロフ) - はじめまして。どこまでも真っ直ぐなあいばさんと少しヘタレな櫻井さん、これからどうなっていくのか楽しみです。コンビニでの一コマがほんとに面白くて大好きです。二宮さんと松本さんもこれからどんな風に絡んでくるのか気になります、！ (2020年6月26日 16時) (レス) id: 58c67b34bd (このIDを非表示/違反報告)
まあこ(プロフ) - 櫻は (2014年10月19日 21時) (レス) id: fa8eae86c5 (このIDを非表示/違反報告)
ごや(プロフ) - 柚子さん» ご無沙汰してました〜また読んで貰えてこちらも嬉しいですー！お久しぶりだというのにこの中はもじもじのままですが、ほふく前進ほふく前進で、もうちょい近付けられればー。 (2014年8月9日 0時) (レス) id: 639c496ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ごや(プロフ) - さぶさん» 初めましてー、どえらい待たせてしまって申し訳ないです、有り難うございます〜。御本人達の様にかわいらしくを出来るだけ目指して頑張りますー。 (2014年8月8日 23時) (レス) id: 639c496ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ごや | 作成日時：2013年9月10日 20時
